FORTY THREE-SEVEN

43カーモデルとその他の事柄
その他の方がたぶん多い

五丁目と御徒町とワタシ

2022-03-15 06:00:00 | 43
工業成果物としてのモデルガンを考える
MGCという会社があった
業界のリーディングカンパニー
この間の話とちょっとダブります

この構造が

こうなる

主には摩耗/破損対策による部品形状の変更
実銃はスチール モデルガンは亜鉛合金
亜鉛合金は鉄と比較すると圧倒的に弱いので
摩耗しやすいし、横方向の力にも弱くて破損しやすい
で、長く壊れず遊べるように部品形状を変更するわけです
それと発条(ばね)
板ばねは焼き入れと焼き戻しにノウハウがいるし歩留まりも悪い
そこ行くとコイルスプリングは、材料を切って丸めてまでは良いとして
熱処理が簡単
電子レンジより少し大きい程度の炉で焼き入れができて
失敗もまずない
材料費も格段に安い
MGCはパイソン以前にM1911という当時の米軍の制式拳銃をモデルアップしています
それがまた独自の構造

実物はこんなですけれども

後ろ半分の構造は実物を踏襲していますけど
前半分が全然違う
リコイルスプリングを銃身の周囲に配置してます
これは一般には紙火薬で確実に動作させるため
ということになっていますけど
うーんどうなんでしょうねぇ
MGCは初期から実弾を発射できるように改造されることへの対策に腐心してきました
この構造なら、改造しようとは思わない
そう書くライターさんもいました。

ただ、実銃のイラストなんか見ますと
リコイルスプリング、きれいに縮んでます。

この構造だとクリアランスが小さすぎて
動かないとは言いませんけれど、すごく抵抗があるとおもいます。
実際にはもっとクリアランスが大きく

スプリングはこんなに綺麗に縮みません
きれいに縮まなければ、反発力も一定ではなく
モデルガンの場合きれいに復座してくれません
実銃の場合はばねを強くすればいいのですが
モデルガンでそれをやると火薬の力が弱いので
今度は後座しなくなってしまいます
そのためのガイドを銃身が兼ねていたんじゃないかと

実銃でも、ガイドは入っているけれスプリングの半分くらいの長さ
M1911と同じような構造の後発モデルには
スプリングと同じ長さのガイドが入っているものもあります
トップリングといいますか
バレルブッシングをねじ止めにしているのは

スプリングの力で矢印の部分やその上の部分がめげて
ばねが前に飛んで行くから

実銃だとこの矢印の部分
これまた鉄だったら全然問題の出ない部分
この部分の破損MGCの金属時代のモデルで発生していて
それに対処したものらしい
で後のモデルや、後発の他社は赤い四角の部分に
顎を付けてばねのテンションがトップリングにかからないような
構造にアレンジしています
おもちゃとしてはいい構造かもしれないけれど
実銃だったら分解に道具がいるからだめだよな
と思う
どこかのライターが上のパイソンを
日本で銃が持てて実銃の開発ができればこの構造で実銃を作ればヒットする
と書いていた人もいましたけどね
いやこんな、組み立てにくい構造だめでしょう
これまた70-80年代日本の工賃が安くて成り立っていた製品ですな
こちらの記事によるとモデルガンは1965年頃「発売1年間で30万挺売れた 」
そうです。上のパイソンが発売される頃は2度の規制でさほどでもなくなって
いたみたいですけど
3000-4000円のものが30万丁売れてたって
すげえ産業なんですけど
改造は由々しき問題ですけど
この産業が保護されていれば
と思います
エアガンしても昔は日本製が伸していましたが
今香港台湾製が世界的なシェアが大きいみたいです
頭の悪いファンやSHOPが無体な改造でいたずらに威力をあげたせいですね
それとここら辺の遊戯銃の規制は警察の胸先三寸で済みますから
担当の警察官がなにか”成果”をあげたいと考えたら
遊戯銃の規制をすれば、それになるということもあるでしょう
モデルガン改造してその動画をYoutubeにあげてたという
おそろしく呑気な人もいましたけど
そんな苦労知るくらいならグアムへ行けよと思います

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする