欧州で警察拳銃が9X19mmになりつつあった1976年頃
H&Kは警察用としてガスロック式の拳銃PSPをトライアルに提出したんですが
ファイアリングピンをグリップが握られたときに後退させる
スクイズコッカ―という画期的な機構
から画像を引用しております
9X19mmの様な威力の高い弾は弾頭が銃口から出る前にスライドが解放されるのを防ぐために
スライドを一時ロックしておく機構がつけられます
このPSPは機械的に結合するのではなく
発射時のガスの一部を使って
こんな感じで発射ガスがガスポートからチャンバーに入って
このピストンがスライドにブレーキを掛けるという構造です
バレルが固定式になるので理論上高い集弾性能が望めます
ガス圧利用なのでこのガス圧に余裕をもって設計すれば
ガス圧利用なのでこのガス圧に余裕をもって設計すれば
どんな弾にも対応できる
はずだったのですが、弱装の弾だとうまく動作しないことがあるようです
手前の溝はフルートといって薬莢の張り付き防止用の溝
何でこんなものが必要なのか
薬室の薬莢が張り付くのは薬莢が膨れるからしかない
何でかと言いますと弾頭が薬莢を出てガスがガスポートに入って
スライドにブレーキを掛けるわずかな間に
スライドが少し後退して、この時に薬室からわずかに出た薬莢がガス圧に耐えられず
ふくらみを起こすようです
まあアマチュアがリロードしてよく使う鉛の弾頭でも動作が不安定なようだし
まあアマチュアがリロードしてよく使う鉛の弾頭でも動作が不安定なようだし
売れはしたけど現在ではあまり使われていないようです
H&Kは以前ローラーロックでも同じようなことをやらかしていて
これはローラーロックのパテント図です
この閉鎖された状態から発射され
ボルトはローラーでロックされていますが
ローラーとボルトキャリアが移動してロックを解除しに行きます
この間薬室の圧力は高いままで緑の線の分キャリアが移動してロックが解除される間に
弾頭が銃口を抜けて薬室/銃身内のい圧力が下がり
ボルトが安全に解放されます
原型となったMG42はショートリコイルを採用して銃身が一緒に後退するので
この間ボルトは動きませんがG3やハンドガンのP9/P9Sでは銃身が固定されているので
そうはいきません
赤の隙間分だけキャリアが後退し薬室の開放が始まります
薬室を出始めた薬莢は周りを抑えるものがなくなったので
ふくらみを起こします
含むと薬室から出てこなくなるので
薬室に溝を切って張り付く面積を減らして
薬莢が抜けやすくしてあります
こういった”失敗”を経ているにもかかわらず
P7で同じような薬室の開放が早期に始まるシステムを採用しているのが
面白いですね
HK P7M8のメカは独創的。凄いと思う。コンパクトでボアラインも低いからスクイズコッカーを無くして普通のストライカー式にすれば売れるかも?それじゃつまらない? MGCのガスブロはM13だったからズングリだったし調子も悪かった記憶がある。 pic.twitter.com/MEdW1yRug2
— モデルガンパーツショップM9 (@gun_parts_M9) March 10, 2023
で、この間ツイッターで回ってきてびっくりしたのがこれ
ワルサーCCP 機構的には全く同じ
後ろ半分がグロック
薬莢のふくらみの問題は解決したのかしら
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます