「バベルの塔」について旧約聖書「創世記」11章は以下のようなことを語る。
人類はもとは同じ言葉を話していたのだが南メソポタミア地方のシンアルの平野で人々は、煉瓦とアスファルトを用いて天まで届く塔をつくってシェム(名)を高く掲げ、全地にばらばらに散るのを避けようとした。するとカミは人々に違う言葉を話させるようにした。それでかれらは混乱し、世界各地へ散りバラバラになってしまった。
そしてバラバラになった全部族の中で、カミはイスラエル部族を選び、バビロンからカナンの地へ移住させた。
ここで語られるカミはひとつであった言葉を民族ごとに変えることによってコミュニケーションをとれなくして人類全体の統合と発展を阻んだ。そしてイスラエル部族だけを自分を信奉する一神教徒として庇護した。
ということは人類がここまで積み上げてきた「バベルの塔」を崩壊から守る鍵はコミュニケーションにあるということがわかる。コミュニケーションの混乱や断絶が崩壊を招いたのだから共同体構想によるコミュニケーションの復活、活性化が人類全体の統合と発展、繁栄を約束するのだろう。闘争の元になってきた民族主義、異教徒迫害も結局互いを認め合うコミュニケーションによって解決するしかないのである。
fumio
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