「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

畠山鈴香被告の 心の真相 (1)

2009年03月23日 22時49分38秒 | 凶悪犯罪と心の問題
 
 秋田連続児童殺害事件・ 畠山鈴香被告の 控訴審判決が、

 3月25日に言い渡されます。

 それを前にして TBS 「報道特集NEXT」 で、

 畠山鈴香の 精神鑑定の番組をやっていました。

 この事件では、 畠山被告が 娘の彩香ちゃんを

 橋の上から落下させて 殺害した、 とされています。

 しかし 畠山被告本人は、

 彩香ちゃんの死の場面の 記憶がないと供述しています。

 この裁判は 証拠が乏しくて、 被告の供述に頼るしかなく、

 真実は明らかになったのか という疑問の声があります。

 東海学院大学の長谷川教授が、

 弁護団から 畠山被告の精神鑑定を 依頼されました。

 長谷川教授は 被告の記憶について、 トラウマティックなできごとの直後に、

 その記憶を 無意識に封じ込めた、 「解離性健忘」 の可能性を述べています。

 彩香ちゃんの死という 恐ろしいことが起こり、

 それを覚えていると 自分の心が壊れてしまうので、

 それを防ぐため できごとを忘れてしまう というメカニズムです。

 教授は 被告の供述の信憑性や、 性格の特徴を鑑定するよう 委嘱されました。

 畠山被告と接見した教授は、 被告の性格を、

 低姿勢でおとなしく、 非社会的で、

 テレビで見た印象とは 異なると述べています。

 心理テストを行なうと、

 TV報道で見られた 「攻撃性」 は、 平均値を わずかに上回る程度でした。

 むしろ、 人に救いを求めるという 「求護(きゅうご)」 の欲求が、

 最高得点を示しました。

 また 「他者認知」 という、

 他人がどう思っているかを 知ろうとする欲求が、 異常な低さを示しました。

 畠山被告から教授の下に 届けられた手紙には、

 「 苦痛のない 静かな死が欲しい。

 死にたくて死にたくて 狂いそう」 だと書かれていました。

 教授に強い求護の欲求が 向かっています。

 次の手紙では、 遺族の気持ちが分からないと 訴えました。

 「 一番 分からなくてはいけない人間が、 何も分からないのです。

 訓練や努力をすれば、 分かるようになるのでしょうか 」

 教授はこれを、 人の気持ちが分からない  「障害」 だと述べています。

(次の記事に続く)
 
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