(前の記事からの続き)
BPDの人の75%が 機能不全家族の出身であり、
性的, 肉体的, 感情的虐待を 体験しているという話を耳にします。
しかし 仮にそれが事実だとしても、
裏を返せば 25%は安定した家族の 出身だということです。
虐待の経験は、 多くは BPDの子どもの自己報告です。
BPDをもつ子は 必ずしも真実を 語るとは限りません。
( ただしもちろん、 実際に虐待を 受けた子もいます。)
多くの臨床医も 親に問題があると 決めてかかっていますが、
我が子のことを心配し、 自分の生活の ほとんどを費やして、
我が子を救おうとしている親も 少なくありません。
また 虐待を受けるのは、 親からだけとは限らないのです。
虐待の他に、 子ども時代のストレスとして 次のようなものがあります。
・幼いときの 親の離婚, 別居, 別離。
・身体的な病気や怪我。
・親の精神疾患。
ただし そのような体験をする子どもの 大多数は、
BPDの兆候を 示していません。
中には 非常に敏感な子どもがいるのです。
親のBPDが 子どもに遺伝するのか、
親が病んでいるため 子育てが危うくなって 子どもが発症するのか、
それには さらに多くの調査が必要です。
いずれにせよ、
親は 罪悪感や悲嘆に暮れている 時間もエネルギーもありません。
それよりも もっと他に、 しなければならないことがあるでしょう。
〔 「BPDをもつ子どもの 親へのアドバイス」
ランディ・クリーガー (星和書店) 〕 より