「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

復活

2009年03月01日 22時32分07秒 | 僕と「ジャン=クリストフ」
 
(前の記事からの続き)

(2/8)

「 そうだ、 そうしよう。

 僕は 苦しんで生きるが正しい。

 だが 君達はそうではない。

 君達は、 僕の苦しみなど 知る必要はない。

 僕はそれを秘めよう。

 理解などされる必要はない。

 そして、 僕は君達を愛そう。

 君達を喜ばせよう。

 君達も、 僕を、 僕の作品を、 愛してくれ。

 僕は創作に 我が身を捧げる。

 さあ、 苦しみよ、 来るがいい。

 悲しみよ、 僕の身を貫け。

 僕は、 受けて立ってやろう。

 おまえたちが 来れば来るほど、 僕は強くなっていくのだ。

 集まれ、 分かち合える人々よ! 

 我々は 一人ではないのだ。

 理解者たちよ、 無理解者たちよ、

 何度もまとめて 僕の所へ来るがいい。 」

(2/13)

「 ああ、 人間て こんなに変わるもんだろうか。

 人間の心って、 何て不思議なんだろう。

 かつて、 僕は道を歩いた。

 街が 褐色になって 僕にのしかかってきた。

 周りを歩く人間は 全て自分の敵だった。

 呼吸が苦しかった。

 歩くのが苦しかった。

 今 僕は道を歩く。

 街が 柔らかい銀白色に 暖かく輝いている。

 周りの人間を皆 優しく見られる。

 歩くのが嬉しい。

 こんなに 感じられるようになったのが 嬉しいのだ。 」

(2/14)

「 僕は、 こんなに 失敗することができて、 よかった。 」

(2/16)

「 僕は、 彼女や彼らが 僕から得たより数倍も、

 いや、 数十倍も 多くを得た。

 彼女らよりはるかに 豊饒となった。

 彼女らのなかに 僕はいない。

 しかし、 僕のなかに 彼女らはいる。

 ありがとう。 」


「ジャン=クリストフ」 読了

「 生涯の終わりに及んで、 かつて 孤独なことがなかったと、

 もっとも一人ぽっちのときにも 孤独ではなかったと、

 みずから考えるのは なんといいことだろう!…… 」

(次の記事に続く)
 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする