「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

清志からメール (2)

2009年03月29日 20時32分08秒 | 心子、もろもろ
 
(前の記事からの続き)

 清志のメールは、 最近 「境界に生きた心子」 の存在を知り、

 かなり動揺している という書き出しでした。

 そして、 心子が自殺した 大きな一因は自分にあると、

 したためられていたのです。

 心子のお母さんも 自分をずっと憎んでいるだろうと。

 また、 心子は旅立つ数日前、 清志に電話で 求婚をしたそうです。

 初めて知った 新事実でしたが、

 その時々の想いで 刹那的な言動をする心子ですから、

 そのこと自体は 僕は驚きませんでした。

 清志は 心子の申し出を 受けられなかったそうで、

 それも心子を死に追いやったと 自責していました。

 僕は彼に どうしても伝えたいと思いました。

 心子の死は 全く清志のせいではないということ,

 彼女のお母さんは 彼を全然 恨んでなどいないということ,

 また拙著のことを知らせず 申し訳なかったということを。

 清志が長い責め苦から 抜け出してほしく、

 どうか 自分を責めないでと、 僕はメールのやり取りで 伝えました。

 境界性パーソナリティ障害という心の病が 悲運の原因であり、

 それは 誰のせいでもないのです。

 けれども彼は、 BPDの知識で 心子の内面を 説明するのを嫌い、

 自分の想いを 変えることはありませんでした。

 とても残念なことでしたが、 彼の心を癒す 助けにはなりませんでした。

 心子も 悲しんでいるのではないかと……。

 しかしこれも 致し方のないことでしょう。

 物事に対する 向き合い方が、 人によって異なるのは やむを得ません。

 でも、 二度と 袖振り合うこともないだろうと 思っていた清志と、

 言葉を交わす 機会を得たことは、 とても良かったと 思っています。

 ネットを通して 心子が贈ってくれたのかな とも思います。
 
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