「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

ステップ2 (2)

2009年08月01日 22時32分03秒 | 「BPDのABC」より
 
(前の記事からの続き)

 BPDの人は、 ある成長段階で 行き詰まってしまっています。

 知的には 普通、 または平均以上でも、

 感情的には 実年齢より 若い振る舞いをするのです。

 BPDの人の 「見捨てられ - 飲み込まれ」 という問題は、

 「もっと近くに距離を保つ」 防衛機制と 言うこともできます。

 これは、 幼児がひとりで 冒険を始める時の 行動に類似しています。

 周囲の探索をしては、 安全である母親のもとに 駆け戻る、

 ということを繰り返すのです。

 BPDの人の アイデンティティの問題は、

 ティーンエイジャーが 直面する問題の、 大いなる名残とみられます。

 またスプリッティングは、 子供のいくつかの成長過程で 自然に発生します。

 醜い魔女と 親切な妖精の 母親役の話で 強化されるのです。

 幼児やティーンエイジャーの 親の苦労は 誰もが理解します。

 でもBPDの人の家族は ほとんどサポートがなく、

 現実確認の 相手もいないでしょう。

 八方塞がり。

 勝つ方法なし というシナリオ。

「勝てない。 引き分けにも持ち込めない。

 ゲームをやめることもできない。」

 本当にやめてしまったら、

 自尊心がズタズタのまま、 ひとりぼっちになってしまいます。

 不幸なのは、 それに慣れてしまい、

 それが当たり前と 思ってしまうことです。

 ランディ氏はこの理由から インターネット上に、

 「ようこそオズへ オンラインコミュニティ (WTO)」 という

 サポートグループを創立しました。

 自分たちの話を分かち合い、 自分たちの感情について 語ります。

 ほとんどの人たちにとって、

 自分の経験を 親身に理解してくれる 誰かと接したのは 初めてのことでした。

 BPDの人の行動が 自分たちのせいではないと、

 心の奥で理解するのに 役立ったのです。

 ひとりぼっちではないと知ることは、

 どれほど安堵感の 得られることでしょう。

〔 「BPDのABC」 ランディ・クリーガー/E・ガン (星和書店) より 〕

(日本でも ネット上の繋がりはありますし、

 「BPD家族の会」 があります。
http://www.geocities.jp/bpdmt/index.html)

(次の記事に続く)
 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする