「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

ステップ6 (2)

2009年08月23日 19時38分49秒 | 「BPDのABC」より
 
( http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/59555367.html からの続き)

 個人的境界と アイデンティティの問題は 緊密に関わっています。

 自分の価値観や感情に 確信のある人は、 強い自己の感覚を 持っています。

 個人的境界は 自分が何者であるか 定義するのに役立ちます。

 それに対して 個人的境界が弱い人は、

 しばしば アイデンティティの発達が未熟です。

 自分と人の心を 区別することが困難です。

 自分の問題や責任を 人のものと混同したり、

 別の人のアイデンティティを まとったりする傾向があります。

 個人的境界は ベタベタした関係ではなく、 親密性を高めます。

 例えば、 二人の人間が結婚すると ひとつになるのではなく、

 1+1=2 のままなのです。

 樫の木と糸杉が あまり近くに生えると、互いの枝や根が 絡み合って

 成長の余地がなくなり、 それぞれの一部が 死んでしまいます。

(心理学で  「纏綿(てんめん)状態」 と言います。)

 纏綿状態は 無意識に 相手に取り入るために、

 自分が何者であるか、 何を必要としているかを 否認してしまいます。

 自分の一部を 否定することが、

 孤独よりも好ましいのです -- 少なくとも初めは。

 しかし 相手のために 自分を犠牲にすることは、

 最終的には 自分自身を喪失してしまいます。

 真にパートナーと 分かち合うためには、

 自分自身の 個別性の感覚を 持たなければなりません。

〔 「BPDのABC」 ランディ・クリーガー/E・ガン (星和書店) より 〕

(続く)
 
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