( http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/59555367.html からの続き)
個人的境界と アイデンティティの問題は 緊密に関わっています。
自分の価値観や感情に 確信のある人は、 強い自己の感覚を 持っています。
個人的境界は 自分が何者であるか 定義するのに役立ちます。
それに対して 個人的境界が弱い人は、
しばしば アイデンティティの発達が未熟です。
自分と人の心を 区別することが困難です。
自分の問題や責任を 人のものと混同したり、
別の人のアイデンティティを まとったりする傾向があります。
個人的境界は ベタベタした関係ではなく、 親密性を高めます。
例えば、 二人の人間が結婚すると ひとつになるのではなく、
1+1=2 のままなのです。
樫の木と糸杉が あまり近くに生えると、互いの枝や根が 絡み合って
成長の余地がなくなり、 それぞれの一部が 死んでしまいます。
(心理学で 「纏綿(てんめん)状態」 と言います。)
纏綿状態は 無意識に 相手に取り入るために、
自分が何者であるか、 何を必要としているかを 否認してしまいます。
自分の一部を 否定することが、
孤独よりも好ましいのです -- 少なくとも初めは。
しかし 相手のために 自分を犠牲にすることは、
最終的には 自分自身を喪失してしまいます。
真にパートナーと 分かち合うためには、
自分自身の 個別性の感覚を 持たなければなりません。
〔 「BPDのABC」 ランディ・クリーガー/E・ガン (星和書店) より 〕
(続く)