朝顔

日々の見聞からトンガったことを探して、できるだけ丸く書いてみたいと思います。

ロダン (2)

2009-09-15 | 外国の風物
庭の景色です。
 両脇の背の高い木は、菩提樹です。





すぐ近くにアンヴァリッドの金色ドームが見えます。



本館の中には、大理石の彫刻、多数の作品、習作素材、ロダンが購入した他の作家の絵画などが並んでいます。



 ロダンの手にかかると、大理石という石材が実にソフトでなまめかしいオブジェに生まれ変わっています。




 次の写真、「歩く人」。
 2本の足は「現実」の歩行ではありません。
 歩き出す瞬間の前方に位置する脚の筋肉とバランス状態を捉え、左右の脚を個々に合成し創作した作品です。そうした発想も驚嘆です。






カミーユ・クローデルの作品「分別盛り」※が、異常なオーラを放っていました。

 才能と美貌に恵まれたカミーユは、19歳の時にロダンに弟子入りしました。ロダンは当時42歳。
 やがて二人は愛し合うようになりますが、一方、ロダンは以前から彼を支えてくれていた妻ローズ(入籍は最晩年となる)と分かれることがでませんでした。15年を経て、結局、ロダンはローズを選んだのです。

 カミーユは、その愛憎をこの彫刻に表現したのです。
 去っていく男性の片手を後ろから跪いて引っ張る若い女性、男性の背中には醜い老女が覆いかぶさっている。

 19世紀、女性芸術家は世間的に認められていませんでした。

 カミーユは実の母からも見放され困窮のなかで精神を患って、制作した作品の多くを破壊しました。また、ロダンは自分のアイディアを盗作していると非難。最後は南仏の精神病院にて孤独の内に息を引き取りました。

 二人の天才、壮絶な人生です。

※ フランス語 、英語 The Mature Age。またはThe Destiny、The Way of Life、The Fateとも呼ばれる。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする