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Mikuのブログ

イラン経済制裁解除 平和か? 次の戦争への火種か?

2016-01-19 15:28:05 | 中東・ユダヤ教・イスラム教・IS問題

http://the-liberty.com/article.php?item_id=10775

イランが核開発を停止したことを見た欧米はこのほど、イランに対する経済制裁を解除した。

英BBCによると、制裁解除の内容は主に次のようなものだ。


  • 欧州連合(EU)は、イランとの貿易禁止を取り消す。 

  • 国連は、イランに対する軍事技術や核技術関連の制裁を解除する。 

  • アメリカは、イランが世界の金融システム(主にアメリカがコントロールする)を通じて取引をできるようにする。 

  • 米国民や企業は、依然としてイランと取引できない。欧米による、テロに関係するイラン人に対する制裁は解除されない。

  • 欧米による、1000億ドル(約12兆円)にも上るイランの資産凍結を解除する。

 

核合意はイランによる時間稼ぎか? それとも欧米の陰謀か?

合意では、イランは10年間核兵器の開発ができないことになっている。しかし、イランは核技術のノウハウを失うわけではない。それどころか、その10年の間、欧米との貿易で新たな核技術を輸入することができるのだ。 

これは、「欧米の攻撃を受けずに、核開発の基礎となる技術を手に入れる」ための時間稼ぎと考えることもできる。北朝鮮が長年、欧米や日本に対して使ってきた「時間稼ぎ」交渉と似たようなものだ。 

この合意で一番「損」をするのは、サウジアラビアかもしれない。 

イラン制裁解除で、毎日約50万~100万バレルの石油が新しく市場に出回ると言われている。GDPの45%と、国家財政の80%が石油の輸出に依存して いるサウジは、経済的に苦しい立場に立たされるだろう。イランへの経済制裁が解除された日、サウジ株式市場は7%も暴落した。 

また、サウジにとって問題は経済面だけにとどまらない。サウジとイランは、それぞれスンニ派とシーア派の代表国として以前から犬猿の仲であり、お互いの勢 力が拡大することを快く思っていない。欧米メディアは、イランが中東地域の大国として台頭してくることは間違いないと報じており、中東の覇権をめぐって両 国が衝突に向かう可能性もある。

制裁解除をめぐるアメリカの真意がどこにあるかは分かりづらいが、欧米がイスラエルを守るために、「サウジとイランを戦わせて、サウジ側に付く」ことも考えられる。

今回の合意が、次の紛争につながることもあり得るのだ。

 

裏で暗躍する中国や北朝鮮

イラン制裁解除に伴い、大量の中国製兵器がイランに流入する可能性を、米ナショナル・インタレスト誌が指摘している。特に、巡航ミサイル、無人機、そしてミサイル防衛システムの開発に関するノウハウの提供は、イランの軍事力を飛躍的に増強させるだろう。

また、イランは以前から、北朝鮮と裏でつながっているとも言われてきた。北朝鮮が東アジアで有事を起こしたとき、同時に中東でイランが動けば、アメリカも厳しい選択を迫られることになる。

エネルギー安全保障の面でも、サウジとイランの対立が紛争にまで発展すれば、日本に向かう石油が通るホルムズ海峡が閉鎖されることも考えられる。

イラン情勢は、北朝鮮、中国、そしてエネルギー問題などと複雑に絡み合うため、日本にとっても他人事ではない。日本はあらゆる可能性を吟味し、最悪の事態に備えるための政策を推し進める必要がある。(中)

 

【関連記事】

2016年1月15日付本欄 これだけ知っトクNews(1月15日版) 止まらない原油安 背景にサウジ・イランの国交断絶も?http://the-liberty.com/article.php?item_id=10763 

2016年1月5日付本欄 サウジアラビア、イランと国交断絶 互いを理解し、認める世界にhttp://the-liberty.com/article.php?item_id=10728

2016年1月号 2016年 シリア戦国時代 この中で、誰が勝つか? 特集 2016年 笑う首脳、泣く首脳http://the-liberty.com/article.php?item_id=10512

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大河「真田丸」20%超え、立役者は悲運な最期を遂げた武田勝頼

2016-01-19 15:19:33 | 映画・ドラマ・芸能・スポーツ

http://the-liberty.com/article.php?item_id=10776

大河ドラマ「真田丸」が、第2回放送の「決断」で、視聴率20.1%(関東地区)を記録した。20%の大台突破は、2013年の「八重の桜」以来、3年ぶりとなる。

これまでのシーンを沸かせたのは、主人公・真田信繁ではなく、俳優・平岳大氏が演じる武田家当主の武田勝頼。第1回「船出」では、お家の危機を迎えたシー ンで、「もし父(信玄)がいれば……。そうだな、こんなことにはならないか……」と無念そうに語り、視聴者の涙を誘った。

一般的に勝頼は、武田家を滅ぼしたため「無能」と評価されてきた。「無能な武将から、学ぶものは何もない」と切り捨てられがちだが、果たしてそれでいいのだろうか。

 

勝頼は偉大な信玄を超えたかった

信玄の四男である勝頼は、偉大な信玄を超えようと、数々の戦功をあげていく。

1574年2月、武田軍は、美濃(岐阜県)の織田領に侵攻し、明知城を陥落。直後の6月には、今度は、遠江(静岡県西部地方)の徳川領を侵攻し、信玄が落とせなかった堅城「高天神城」を落城させ、東遠江をほぼ平定した。

想定を超える勝頼の侵攻ペースに、信長は恐怖した。しかし、武勇に頼った勝頼のおごりは、75年の「長篠の戦い」で思わぬ敗戦を招いた。

 

「勝頼は強すぎたる大将」

武田家家臣の奥平信昌が、75年、徳川家康の調略によって勝頼を裏切る。「裏切り者を野放してはならない」。そう思った勝頼は同年5月、1万5千の兵で長篠城を包囲した。これを受け、織田信長は、家康軍を含む3万8千の兵で進軍。勝頼は、重臣の山県昌景などから「兵力が少なく、勝算は薄い」と撤退を進言されたものの、決戦を挑んだ。

もとより優勢であった信長だが、武田軍を確実に撃破するための布石を打っていた。

信長は、戦国最強とうたわれた武田騎馬隊を阻む「馬防柵」を事前につくり、その裏に、3千挺ともされる「鉄砲隊」を配置。戦では、鉄砲を機関銃のように速 射する、いわゆる「三段撃ち」で、武田軍をなぎ払った。結果、多くの重臣を死なせた勝頼の求心力は失われ、後に裏切り者が相次ぎ、滅亡に至ってしまう。

勝頼の敗因は、向こう見ずの勇気を頼みにした「蛮勇」だ。軍学書『甲陽軍鑑』は、勝頼を「強すぎたる大将」と記すほどで、勝頼は、信玄を超えようとする「焦り」により、身を滅ぼす原因となった。

 

武田は滅んでも、日本は滅びず

だが、勝頼の蛮勇や焦りだけでは、説明は十分ではない。信長が編み出した「三段撃ち」は、一説に、ヨーロッパよりも約100年先取りした戦法とされてお り、勝頼は「軍事的イノベーション」を前に、なす術がなかったのだ。勝頼を「無能」の一言で切り捨てるのは、あまりにも酷ではないだろうか。

長篠の戦いに衝撃を受けた他の戦国大名は、我先にと鉄砲を大量に調達し、実戦に投入。「日本全国が鉄砲でハリネズミ化」したために、当時、世界中を植民地化していった欧米の侵略主義が食い止められた。その意味で、武田家は滅んだものの、日本国民は、「欧米の奴隷」にならずに済んだのだ。

戦国時代は、単なる領土争いという小さな視点ではなく、世界的なイノベーションを起こしたスケール感の伴った時代と見るべきだ。勝頼の物語から、悲運な最強大名が滅びに至るという栄枯盛衰だけを感じ取るのは物足りない。

(山本慧)

 

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