29日の早朝、北朝鮮が弾道ミサイルを発射した。ミサイルは北海道の襟裳岬上空を通過し、太平洋上に落下。北朝鮮のミサイルが日本本土の上空を通過したのは2009年以来であり、事前通告なしに通過させたのは極めて異例だ。
発射を受け、上空を通過した北海道を含む12道県の計617市町村に全国瞬時警報システム(Jアラート)が発令された。これは事実上の「空襲警報」であり、戦争状態目前といってもよい状態だ。
警報が鳴った地域の人々からは、「(ミサイル発射が分かっても)逃げようもないし、家でじっとしているだけ」「頑丈な建物の中や地下への避難が有効と紹介されていた。けれど、地下なんてないし、いざとなったら避難しようがない」などと不安の声が挙がっている(29日付十勝毎日新聞電子版)。
(続きは以下のURLより)
http://the-liberty.com/article.php?item_id=13450
[HRPニュースファイル1857]http://hrp-newsfile.jp/2017/3263/
幸福実現党・政調会外交部会 副部会長 彦川太志(情報分析担当)
◆8月29日に発射された北朝鮮弾道ミサイルの概要
昨日、8月29日午前6時頃、北朝鮮の首都近郊に位置する平壌国際空港から一発の弾道ミサイルが発射されました(※1)。
ミサイルは北海道の襟裳岬上空を横切り、同岬から1180キロ東方の太平洋上に落下しています。(※2)
韓国軍が発表したデータによれば、ミサイルの総飛行距離は約2700キロ、最大高度は約550キロに達し、中距離以上の弾道ミサイルが発射されたと見られています。
このため、専門家の間ではミサイルの種類について「ムスダン」や「北極星2」、或いは「火星12」など様々な可能性があります。(※3)
北朝鮮のミサイルが日本の上空を通過したのは1998年以来5度目の事となりますが、「事前通告」なしに弾道ミサイルとして発射したのは初めての事です。
◆北朝鮮のミサイルに対する、日米韓の対応を比較する
(1)日本政府の対応
北朝鮮のミサイル発射に際して、日本政府は北海道、東北、北関東などの12道県に対して「全国瞬時警報システム(Jアラート)」を稼働させて避難を呼びかけましたが、自衛隊による破壊措置は実施されませんでした。
米韓合同軍事演習が実施される最中、日本上空を飛び越えた弾道ミサイルの発射とあって、日本政府の対応に世界中の注目が集まりましたが、安倍首相からは「これまでにない深刻かつ重大な脅威だ」との発言があった他、トランプ大統領との首脳電話会談が実施された以外、具体的な動きは見られておりません。
また、菅官房長官も在韓邦人に退避勧告を発する意図はないと発言しております。
(2)米韓軍の対応
他方、軍事演習を展開していた米韓軍は弾道ミサイルの発射を受け、軍事的圧力の強化に踏み切っています。
具体的には、まず韓国空軍がF-15K4機による「北朝鮮首脳」を対象とした空爆訓練を同日実施した他、北朝鮮に対する「大量報復反撃」構想の中核となる「玄武2C」ミサイルの試験映像を公開しました。(※4)
さらに米軍においては、戦略爆撃機もしくは航空母艦の派遣を検討している旨、報道され、北朝鮮の軍事的挑発に対して的確に対応している事が見て取れます。
また、トランプ政権は北朝鮮による弾道ミサイル開発の深刻化を受けて、韓国軍の弾道ミサイル開発制限の緩和や、原子力潜水艦の建造容認にも前向きであることが報道されています。(※5)
◆明白な軍事的挑発に対する「国防強化」は当然の対応
以上の様な米韓軍の反応を踏まえると、北朝鮮の軍事的挑発に直面する日本政府の反応は極めて微弱であり、無反応と言っても良いレベルである事がわかります。
中には「日本は北朝鮮のミサイルを撃墜しようとしなかった」との見出しを付ける海外記事も見られ、自国の防衛に対する日本政府の姿勢に対し、諸外国からは「疑問の目」が向けられている実態が浮き彫りとなってきます。(※6)
むしろ、口先だけで何ら実行を伴わない日本政府の姿勢は、かえって「日本は北朝鮮のミサイル開発を黙認している」との誤ったメッセージを世界に伝達する事になりかねません。
主権の侵害にはきちんと「怒って」見せ、「日本の立場」をはっきりと伝える事が重要だと考えます。
◆朝鮮半島有事の勃発に備え、万全の体制を構築せよ
そう言った論点も踏まえ、幸福実現党は29日、「北朝鮮による弾道ミサイル発射を受けて(党声明)」を発信しました。
北朝鮮による弾道ミサイル発射を受けて(党声明)
https://info.hr-party.jp/press-release/2017/5341/
そもそも、今回北朝鮮が行った無通告での弾道ミサイル発射は、日本の安全を脅かすだけでなく、この国の主権を無視する行為であり、到底看過できるものではありません。
政府には「非核三原則の撤廃」や「憲法9条の全面改正」による抑止力の強化、そして自主防衛に必要な装備・人員の確保を行う「防衛費GDP2%」の確保を早急に実施すると共に、北朝鮮が人口密集地帯に向けて弾道ミサイルやNBC兵器等を使用してくる事態を想定した「国民保護」体制の一日も早い構築を求めたいと思います。
また、今後朝鮮半島情勢の緊張が更に高まる可能性がある事から、外務省による在韓邦人への退避勧告の発出や、有事発生時の避難方法の周知徹底に力を尽くすよう、提案させて頂きます。
(※1)8月29日 Defense News「North Korea fires missile over Japan in aggressive test」
(※2)8月29日 ロイター「北朝鮮のミサイルが日本上空を通過、「重大な脅威」と安倍首相」
(※3)8月29日 朝日新聞「北朝鮮が弾道ミサイル発射 日本上空を通過」
(※4)8月29日 聯合通信「FourF-15KsholdexerciseagainstN.Korea'sleadership 」
(※5)7月24日 聯合通信「Korea pushes to revise missile guidelines to load up to 1 ton of warheads」
(※5)8月27日 聯合通信「S. Korea starts reviewing nuclear submarine building plan」
(※6)8月29日 Izvestia「ЯпониянепыталасьсбитьракетуКНДР (Japan did not try to shoot down the DPRK rocket)」
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