一寸の虫に五寸釘

だから一言余計なんだって・・・

『フロスト×ニクソン』

2009-09-01 | キネマ
選挙といういこともあり週末は政治ネタの映画を。

ウォーターゲート事件で辞任したニクソン大統領が、後任のフォード大統領から恩赦を受け責任追及がなされないまま政界から引退して3年後、イギリスの司会者デヴィッド・フロストがテレビインタビューを申し込んだ、という実話をもとにした映画です。

イギリスとオーストラリアのトークショーの司会者からのステップアップと一攫千金を目指すフロストと、政治の素人相手のインタビューで汚名返上と自らの功績をアピールしようとするニクソンの利害が一致してインタビューは実現するが、そこから双方の利害が入り乱れた虚々実々の駆け引きが展開されます。

ジャーナリズムの正義などではなく、金銭欲・出世欲と政治家としての「業」のぶつかり合いが、歴史に残るインタビューという結果を生むというあたり、良くも悪くもアメリカ的な話ではあります。


日本だと逆に政治討論やインタビューがみんなバラエティー番組のノリになってしまうあたりが残念です。
政治家の方も真剣勝負のインタビューに応じようという人がなかなかいないから、きちんとしたインタビューや討論番組が成り立たないということもあるんでしょうね。
たとえばみのもんたが小泉改革を承継するはずが投げ出した安倍元総理をインタビューしたらどんなものになるか、と考えると、彼我の差ははっきりしてきます。


原作は、本作の脚本も手掛けたピーター・モーガンの舞台劇で、同舞台でそれぞれニクソンとフロストを演じた俳優が映画版でもそのまま同じ役に起用されているだけあって、迫真の演技を見せています。




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