褒めまくる映画伝道師のブログ

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映画 生きるべきか死ぬべきか(1942) ポーランド国民への応援映画です

2018年10月21日 | 映画(あ行)
 ウィリアム・シェークスピア原作のハムレットでの有名な台詞『To Be or Not to Be(生きるべきか死ぬべきか)』がタイトル名になっているが、このタイトルが本作中でも抜群の効果を発揮するのが今回紹介する映画生きるべきか死ぬべきか
 本作は1942年という第二次世界大戦中の真っ最中に製作された映画。当時ナチス・ドイツにボロボロに蹂躙されてしまっていたポーランドに対して、ハリウッドからポーランド国民に向けてのエールを送った映画だ。しかも、エールを送っただけでなく誰が観ても笑えるコメディ映画になっているところが、当時のハリウッドの底力を感じさせる。まあ、俺が言っていることを信用してもらえないかもしれないが、古今東西の数多あるコメディ映画の中でも最も笑える部類に入る映画。しかも、笑いが洗練されているのでお笑いの勉強もできる有難すぎる映画だ。

 さて、早速だが最初から最後まで笑えるストーリーの紹介を出来るだけ簡単に。
 1939年のポーランドのワルシャワにおいて。有名女優であるマリア・トゥーラ(キャロル・ロンバート)と、その夫であり自称ポーランドの名優ヨーゼフ・トゥーラ(ジャック・ベニー)の夫妻を看板スターとする劇団があり、連日満員の盛況だった。
 ある日、ハムレットを上演中に、ハムレットを演じていたヨーゼフが、ここは一番の見せ場とばかりに、有名な台詞である『To Be or Not to Be(生きるべきか死ぬべきか)』を言うのだが、その瞬間に客席にいたイケメンの若者が立ち上がってその場を去って行く。あまりのショックにヨーゼフはすっかり自分の演技力に自信を無くしてしまう。
 実は若者はポーランド空軍に属するソビンスキー中尉(ロバート・スタック)であり、ヨーゼフの長台詞中に『To Be or Not to Be(生きるべきか死ぬべきか)』を合図に、マリアの楽屋へ行き彼女に逢っていたのだ。
 ハムレットが上演される度にソビエンスキー中尉とマリアは相変わらず逢瀬を重ねていたが、いよいよナチスドイツがワルシャワに侵攻。ハムレットの舞台劇も中止を余儀なくされる。
 その後、ソビエンスキー中尉はイギリスにいてドイツへの反撃の機会をうかがっていた。仲間たちと故郷ワルシャワの事を話している時に、その場にシレツキー教授(スタンリー・リッジス)もいた。彼は近いうちに秘密任務としてワルシャワに行くことになっていた。しかし、ソビエンツキー中尉はシレツキー教授がドイツのスパイであることを見抜く。
 ソビエンスキー中尉はワルシャワヘ戻りトゥーラ夫妻たち劇団のメンバーと一緒にシレンツキー教授の狙いを阻止しようと奮闘するのだが・・・

 色々と笑えるシーンがあるのだが、冒頭の始まり方が凄い。まだドイツがポーランドに侵攻する前なのにワルシャワの中心地にヒットラーが独りで現れる。その場にいた人々はヒットラーの出現に驚くが、当のヒットラーは何も気にせずに立っている。実は・・・なのが笑わせるし、これが最後のクライマックスの伏線になっているのに感心する。
 トゥーラ夫妻とソビエンツキー中尉が三角関係のままナチスドイツを必死で騙そうとするが、ヨーゼフが彼らの関係に気を揉んでいるために、ついつい自分の役割に集中できなくて失敗しそうになっているのが笑える。
 それとナチスドイツの描き方も笑える。特にエアハルト大佐という偉いさんがいるのだが、このオッサンが頭が悪く、自分のミスをことごとく部下に押し付ける無責任な人間。もし本当にナチスドイツの人間が、こんな奴ばかりだったらもっと早く戦争が終わっていたのにと思ってしまった。
 他にも笑える場面があるし、けっこうなスリルもあったりで本当に楽しい映画。これが第二次世界大戦中に製作されたことに多くの人が驚くはずだ。
 笑える映画を観たい人、ポーランドに興味のある人、熟練したテクニックを感じたい人、そして下ネタでしか笑わすことが出来ない人、エルンスト・ルビッチ監督と聞いて心が躍る人・・・等々に今回は映画生きるべきか死ぬべきかをお勧め映画に挙げておこう。

生きるべきか死ぬべきか [DVD]
キャロル・ロンバード,ジャック・ベニー,ロバート・スタック
ジュネス企画


 監督はハリウッド黄金期を支えたエルンスト・ルビッチ。洗練されたユーモアは多くの人を魅了した。彼のお勧めはグレッタ・ガルボ主演のニノチカ、マレーネ・ディードリッヒ主演の天使、真面目に生きようと思える天国は待ってくれる、ジェームズ・スチュアート主演で文通のやり取りが懐かしい街角 桃色の店が良いです。





 
 

 

 
 
 

 
 

 
 
 

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