しげるの自遊学

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たった一人の30年戦争

2005-09-13 16:05:50 | Weblog
 小野田寛郎少尉(ルバング島”最後の帰還兵”)について書かれたブログを見ました。そんなわけで関係の本を読みたいと思い、いつものようにインターネットで本を注文しました。今回は何故か本が来るのにえらく時間がかかりました。(小野田少尉は30年間ルバング島の山奥から出てこなかった、その故事を尊重して本の発送をわざと遅らしたのかな、などと勝手にあらぬ想像をしていました。これ冗談)

 本を読んだ感想とか、読後感を書こうと思ったのですが、正直な話なかなか書くことが出来ません。読めば読むほど驚くべきことばかりで、言葉が出ないのです。

 考えてみれば、今普通の人は大体20歳前後で社会に出て仕事につきます。そして30年とか35年間とか働いて、一旦現役を退き、定年を迎えることになります。(勿論、いろいろなケースがあるし、一概にはいえませんが・・・)

 小野田少尉は20歳過ぎに戦争に招集され、フィリッピンのルバング島へ送られ、日本の敗戦で戦争が終わっているにもかかわらず、なんと30年間も島の山奥へ立てこもって戦争を続けたということですね。普通の人が仕事につき、リタイァするまでの長い長い長い期間を、彼は一人で(当初は一人ではなかった)山奥へ立てこもって戦争を続けたわけですね。戦争は終わっている、早く出てこいという呼びかけにも応じなかった。彼は、敗戦も知っていた、そしてそのあとの日本の目覚しい経済成長も知っていた。皇太子(現、天皇)のご成婚や、新幹線の開通なども知っていた。彼の兄が目と鼻の先で呼びかける声もわかっていた。彼の母の直筆の手紙も見ている。にもかかわらず、それを信じることが出来なかったとあります。
何故、何故、何故。読めば読むほど驚くべき事実に驚愕しました。

 戦後30年で帰還し、そのあとブラジルへ渡り牧場を経営したとあります。牧場は成田空港より少し広く、牛は1800頭と書いてありました。なんともすごい人生ですね。人生はドラマだといいますが、こんなドラマがあったとは・・・

たった一人の30年戦争

東京新聞出版局

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