人は誰も、自分は可愛いが、相手のことを真実大切には思えないもの。金銭的なこともあろうが、心理的には困難を生じてしまう。嘘をつくのも或いはまた、我が身可愛さの表れかもしれないとも。ついて好い嘘はある筈もないが、方便とも云う。
図書館での新刊予約待ちに、明日香の皇子から読み始めた、内田康夫。歴史の登場人物に絡んだ、人間の哀しさに、浅見光彦の推理が鮮やかだ。最も天河伝説殺人には、お能のことが出て来て、奈良県の興福寺に通う。十数年前になるが。
御薪能発祥の地、興福寺に措いて、観世流・金春流・宝生流・金剛流の四座に、狂言が加わる豪華さだ。初夏の夕闇に浮かぶ松明の炎に、能装束が怪しく揺れる。幽玄の世界とは、このような美しさを云うのだろう。興味は何処からでも広がる。
物語では、獅子座も醍醐味があった。崇徳伝説殺人事件、佐保姫伝説殺人事件にも、歴史の深さを感じる。箸墓伝説にも、その意味するところを知っていなければ、事件の真相には行き着かない。歴史は趣があり、愉しいし面白い。作品も同じ。
大人の分野も、子どもであろうと、内容的に異なるだけで、史実は忠実に書いてもらいたい。最近の子ども本の雑さが目立つ。歴史上の人物を、ゆるキャラに仕立てて親しんでいるのにどうもついていけない。莫迦なタレントが多過ぎる。自嘲気味。
タレントと人気のなくなったアスリート。テレビに出てる暇があったら、することがあるだろう?一発芸しかできない、人真似の類。実力があり、自分の芸を磨いている者は、生き方が違うもの。努力を重ね、自分を貫くことの難しさだ。見習いたいもの。
久々に勤務する。休んでいた期間の残骸が見えるが、黙して何も云わないでおく。自分の体のことを想い、気にしないことにする。然し、玄関の掃除はしておきたい。何方がおいでになるかわからない場所です。掃除の行き届くことを、切に願う者です。
昨夏の、我が家の枇杷の実。小粒で、とても少なかったが、味はよく、甘酸っぱいのが特徴です。