汽水空間 ~言葉と次元の力学系へ~

身体で体感する言葉の世界をお届けします(*´∀`)♪

みやすけの詩 赤

2010年06月18日 | 初期中期の詩
何かが絡みついてくるのを感じる
時代の波風を、肌で感じながら
凶作で喘ぐ農民の汗が、地表へと滴る

高温処理を施された、水道水
割れた地層からの血の放出
愛おしい狂気に呑み込まれ、最果てには情緒に隷属する
そうした絶え間なく愛してきた女を思い出しながら
心はあらゆる霊魂の叫びさえも超越する

調合された塩と砂糖を鍋に入れて
煮えたぎったところで愛する者の口へ流し込む
恍惚感と目まいが、この空に涙の雨を降らす

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みやすけの詩 現実

2010年06月18日 | 初期中期の詩
空を見上げるから、悲しくなる
毒々しい汚物に集るハエの執着に、重なる心の病
疫病がこの空間を汚染していく、革命前夜の緊張感
皺枯れた声を精一杯振り絞り、爪弾かれた変革と血の鼓動
松明に照らされた壁画は、その閉じた美しさの中で更に壮麗になっていく
湖の静けさに心を奪われて、その手で絞殺した兎の亡骸
何かが後ろで囁きかけてくる
恩着せがましい言動に見え隠れする、淋しげな泣き声と、その涙

大気の循環は、その煙を何処へと流して行くのか
追い込まれた小動物が小刻みに震えている
そして向けられた牙に勇敢に立ち向かおうと流した血の重み
美の執着に翻弄され、自我を見失い彷徨うのは旅人の憂い
成熟した果実を頬張る快楽は、更なる逡巡の幕開けとなる

経験不足が、そうした胃痛を起こさせる
吐き出された吐しゃ物の臭いは、たちまちこの世界を巻き込んでいくのだろう
少女の円らな瞳に映る、啓蒙主義
内容のない物語に隷属する定め
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