汽水空間 ~言葉と次元の力学系へ~

身体で体感する言葉の世界をお届けします(*´∀`)♪

みやすけの詩 腺病質な身体

2010年06月23日 | 初期中期の詩
巷に溢れているのは、空に浮かぶ孤独と、妖精がこぼした涙の結晶である
意訳された文章に滲み出る、ささやかな愉しみ
彫刻を彫るように研ぎ澄まされた触覚を使って、時代の闇を暴きだす

恥骨に走る悪寒に、身体は震えながら
血で血を洗うような戦いの日々に、ひたすら休息の時を待っている
窮屈に折りたたまれた紙に描かれた偶像
その抽象画に色々な情念を思い描きながら、切り裂いた手首に
新たな欲望が膨れ上がる

そうした断末魔の訪れは、何よりの癒しとなっている
挑戦状を突きつけられ嘆き悲しんでいる娼婦の穏やかな表情は
この世界では通例な事柄である

攻撃された戦艦は、もう成す術がない
正気を失くした乗員は、その紙に描いた偶像に祈りを捧げる

星が瞬く間に塵へと変わっていく
黒々と立ち昇る黒煙の下には、焼死体の塊が疼いている
人間の形をしていたそれらの悲しみは
尽きる事のない飢えと、欲望を包括している
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