札幌の片桐三晴さんは、団体公募展やグループ展に属さず、2年に1度、大丸藤井スカイホールでの個展で絵画を発表している。個展の前に、海外あるいは沖縄に行き、そこで得た印象を、明るい色彩の絵に定着させているという、なかなかうらやましい方である。また、日本語でほぼ唯一の、フランス人画家ニコラ・ド・スタールのモノグラフの著者でもある。
そんな片桐さんが、はじめて「コラージュ展」なるものを、いつもとは違う会場で開いた。のぞいてみると、いつもの輝かしい色彩の絵とはちょっと異なる画風の作品が並んでいる。黒い線が目立ち、パワフルな感じだ。表現主義的、といってもさしつかえないかもしれない。
片桐さんは、北大黒百合会で指導する際に、コラージュ制作に取り組んでいるとのこと。いつものように、キャンバスに色をつけていくのではなく、あらかじめ着彩した紙を手でちぎり、それを貼り付けている。
中には、インクを落とした雫を、何倍にも拡大してカラーコピーしたものも貼られている。
「はじける」
「おかす」
金網のようなものが貼り付けられている。イタリア語の新聞も。
ユニークなのは「My HOKUSAI」というシリーズの3点。
「たかはしのふじ」「神奈川沖浪裏」「木曽路ノ里 阿弥陀ノ瀧」とも、葛飾北斎の原作を意識しながらも、それをなぞるのではなく、新たな作に仕立てている。
ほかに「よりそう」「まよう」「およぐ」「うつる」。
2013年10月28日(月)~11月2日(土)午前10時~午後6時(最終日~午後5時)
札幌時計台ギャラリー(中央区北1西3)
□片桐三晴 はればれギャラリー http://www005.upp.so-net.ne.jp/harebare/
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