教育大岩見沢校美術文化専攻の卒業生を取り上げて毎年開かれている企画展。
今年の第5回ホープ展は、若手2人の絵画展です。
左が太田香さん、右が坪井明花さんです。
この2人の作品に共通しているのは
「絵を読みこむ楽しさ」
だと思います。
もちろん、絵の中に文字が書かれているという意味ではありません。
また、近世の欧洲絵画のように、アトリビュートや寓意をよみとる、ということでもないのです。
太田さんの絵の中にはおびただしい人物が描かれています。
俯瞰気味に夜の遊園地などを見下ろしている構図なので、どの人物も大きさに差はなく、表情は読み取れません。
しかし彼女たち(登場しているのはほぼ全員女性のようです)が何をしているのか、気になりだすと、絵から目が離せなくなります。
一方、坪井さんの絵は一見、泰西名画の風景画のようですが、近づいてみると、裸の赤ん坊があちこちにいることがわかります。
近くに大人がおらず、乳児だけが地面にすわっていたり、水の中にいたりするのは不自然なのですが、そこが絵の面白さで、探し始めると途中でやめられなくなるのは、太田さんの絵と共通しています。
坪井さんの絵は、バルビゾン派かクロード・ロランかといった夕空の美しさですが、手前に赤ん坊がすわっています。
近づいて目を凝らすと、画面のあちこちに赤ちゃんがまぎれています。
太田さんの絵の舞台は、森に囲まれた公園や遊園地(といってもディズニーランドのような巨大な施設ではなく、もっと小規模で懐かしい感じの場所)が多いです。
拡大してみると、絵の中の人物は、多くが長い黒髪で、黒いズボンをはき、赤や青のセーターのようなものを着ています。
何人かで楽しく遊んでいる人がほとんどですが、必ずといっていいほど、端っこの木々の陰で孤独にたたずんでいる人がいます。筆者はどうしても、こういう人が気になって仕方ありません。
くわえて
・夜空をよぎる彗星や、望遠鏡で観察する人など、天文ネタの頻出
・手紙を持っている人や、地面に置かれている手紙など、手紙がよく出てくる
・メリーゴーラウンドなどさまざまな種類の遊具が中央に置かれている
といった点に注意をはらっていけば、いくら時間があっても足りないほどです。
一方、坪井さんの絵(右から2枚目)を拡大すると…
遠景の水辺に赤ん坊が、おぼれかけているのも含めて4人もいます。
この対岸(右側)の森の中では、地面から現れた大蛇にぐるぐる巻きにされている乳児もいて、おまえはラオコーンか!? とツッコミを入れたくなってきます。
隣接した部屋では、2人の小品が展示されています。
大作と同じ傾向の作品が大半ですが、もちろん、登場人物の数は画面の大きさに比例して少なくなっています。
2024年10月4日(金)~11月1日(金)午前10時~午後6時(木曜は午後1~6時)、水曜休み
岩見沢市絵画ホール・松島正幸絵画館(岩見沢市7西1)
一般210円、高大生150円(中学生以下無料)※案内状を持参すれば無料です
過去の関連記事へのリンク
■第16回春季二紀展(2024年3月)※2人とも出品
■太田香×三村紗瑛子2人展~いつも夢のなか (2021年12月27日~22年1月30日、札幌)
・JR岩見沢駅から約1.06キロ、徒歩14分
・中央バスの都市間高速バス「高速いわみざわ号」に乗り「市民会館前」から約620メートル、徒歩8分
岩見沢市絵画ホール・松島正幸記念館への道順(アクセス)
今年の第5回ホープ展は、若手2人の絵画展です。
左が太田香さん、右が坪井明花さんです。
この2人の作品に共通しているのは
「絵を読みこむ楽しさ」
だと思います。
もちろん、絵の中に文字が書かれているという意味ではありません。
また、近世の欧洲絵画のように、アトリビュートや寓意をよみとる、ということでもないのです。
太田さんの絵の中にはおびただしい人物が描かれています。
俯瞰気味に夜の遊園地などを見下ろしている構図なので、どの人物も大きさに差はなく、表情は読み取れません。
しかし彼女たち(登場しているのはほぼ全員女性のようです)が何をしているのか、気になりだすと、絵から目が離せなくなります。
一方、坪井さんの絵は一見、泰西名画の風景画のようですが、近づいてみると、裸の赤ん坊があちこちにいることがわかります。
近くに大人がおらず、乳児だけが地面にすわっていたり、水の中にいたりするのは不自然なのですが、そこが絵の面白さで、探し始めると途中でやめられなくなるのは、太田さんの絵と共通しています。
坪井さんの絵は、バルビゾン派かクロード・ロランかといった夕空の美しさですが、手前に赤ん坊がすわっています。
近づいて目を凝らすと、画面のあちこちに赤ちゃんがまぎれています。
太田さんの絵の舞台は、森に囲まれた公園や遊園地(といってもディズニーランドのような巨大な施設ではなく、もっと小規模で懐かしい感じの場所)が多いです。
拡大してみると、絵の中の人物は、多くが長い黒髪で、黒いズボンをはき、赤や青のセーターのようなものを着ています。
何人かで楽しく遊んでいる人がほとんどですが、必ずといっていいほど、端っこの木々の陰で孤独にたたずんでいる人がいます。筆者はどうしても、こういう人が気になって仕方ありません。
くわえて
・夜空をよぎる彗星や、望遠鏡で観察する人など、天文ネタの頻出
・手紙を持っている人や、地面に置かれている手紙など、手紙がよく出てくる
・メリーゴーラウンドなどさまざまな種類の遊具が中央に置かれている
といった点に注意をはらっていけば、いくら時間があっても足りないほどです。
一方、坪井さんの絵(右から2枚目)を拡大すると…
遠景の水辺に赤ん坊が、おぼれかけているのも含めて4人もいます。
この対岸(右側)の森の中では、地面から現れた大蛇にぐるぐる巻きにされている乳児もいて、おまえはラオコーンか!? とツッコミを入れたくなってきます。
隣接した部屋では、2人の小品が展示されています。
大作と同じ傾向の作品が大半ですが、もちろん、登場人物の数は画面の大きさに比例して少なくなっています。
2024年10月4日(金)~11月1日(金)午前10時~午後6時(木曜は午後1~6時)、水曜休み
岩見沢市絵画ホール・松島正幸絵画館(岩見沢市7西1)
一般210円、高大生150円(中学生以下無料)※案内状を持参すれば無料です
過去の関連記事へのリンク
■第16回春季二紀展(2024年3月)※2人とも出品
■太田香×三村紗瑛子2人展~いつも夢のなか (2021年12月27日~22年1月30日、札幌)
・JR岩見沢駅から約1.06キロ、徒歩14分
・中央バスの都市間高速バス「高速いわみざわ号」に乗り「市民会館前」から約620メートル、徒歩8分
岩見沢市絵画ホール・松島正幸記念館への道順(アクセス)