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北のアルプ美術館

2012年11月09日 22時35分45秒 | つれづれ日録
 先日、北のアルプ美術館(オホーツク管内斜里町朝日町11の2)に行ってきました。

 概要についてはリンク先の、美術館のウェブサイトをごらんになっていただければわかりますが、手短に言えば、「アルプ」とは、かつて串田孫一(哲学者、詩人)が中心となって、1959年に創刊された雑誌です。
 詩人の尾崎喜八、版画家の畦地梅太郎らが寄稿し、山登りと文芸を愛する人々に読まれていましたが、83年に300号で歴史に幕を閉じたそうです。
 この美術館は「アルプ」の精神を後世に伝えようと、1992年に開館しました。

 「そうです」
というのは、実は筆者は1980~90年代、かなりの雑誌オタクで、なかでも文芸関係はわりと熱心にチェックしていたはずなのですが、「アルプ」についてはまったく記憶がないのです。

 そんな、決してメジャーとはいえない雑誌をテーマにした美術館なんて、と思う方もいらっしゃるでしょうが、「アルプ」を知らない一般の美術愛好者でもじゅうぶんに楽しめる施設でした。

 建物は決して大きくありませんが、旧三井農林斜里事業所の社員寮で、いかにも瀟洒しょうしゃで、北国の林間にふさわしいたたずまいです。
 カラマツの林が、館の前に広がり、彫刻作品が点在しています(後日、別項で紹介します)。筆者が訪れたときは秋だったので、キノコがあちこちにはえていました。

 展示されている所蔵品も、雑誌のバックナンバーや作家の自筆原稿だけではなく、絵画や彫刻が多くあります。肖像彫刻で知られる西常雄の作品をまとめて並べた部屋もあります。

 さらに今年、串田孫一の書斎が、東京の自宅から移設されてきました。
 中に入ることはできませんが、入り口から書棚やストーブのさまを眺めることはできます。

 旅先で、小さいけれど充実した美術館に立ち寄ることは、大きな喜びだと思います。
 斜里や知床を訪れる人が、北のアルプ美術館に足を伸ばしてくれますように。
 無料というのもポイント高いです。ただ、冬期間は休む季節がありますので、サイトをチェックしてください。

 


・JR知床斜里駅、斜里バスターミナルから約1.2キロ、徒歩15分


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