道立近代美術館ではこの秋、道内の三大公募展といわれる全道展(全道美術協会)、新道展(新北海道美術協会)、道展(北海道美術協会)の記念展が、それぞれの毎年の展覧会とは別個にひらかれています。
古いほうからかぞえると、道展は創立80年、全道展は60年、新道展は50年をむかえたのです。
1990年代以降は全国紙が日展などの公募展評を掲載しなくなったこともあって中央での公募展は相対的な地位を少しずつ下げつつあるという印象がありますが、北海道は、吉田豪介さん(美術評論家、市立小樽美術館長)が近著「創造への軌跡」でも述べられているように、まだまだ「公募展王国」の色あいを濃くのこしています。
これは、行政などと距離を置き、複数の公募展がしのぎをけずってきたことも背景にあるでしょう。
さて、新道展ですが、展覧会は、毎年のものよりも、会員の気合が入っていることが一目瞭然で、見ごたえがありました。
ただし、心配になったこともありました。図録でもみなさん指摘なさっていますが、後進の育成についてです。
教育大、大谷短大、道都大の卒業生は道展に集中しています。また、全道展は有名な画家が多く、教室をもっている人もたくさんいるので、それぞれの教室の生徒さんが出品します。
いちばん歴史の浅く、一般的には比較的フレッシュな存在だと信じられている新道展が、実は、新顔が加わってくるルートをあまり持っておらず、会員、出品者とも高齢化していることは否定できません。
活性化策については、図録で吉田豪介さんらが、積極的な出品勧誘や高齢者へのアプローチなどを提案しています。これを読むと、みんな新道展のことを、なんだかんだ言って心配しているのだなと思います。
古い伝統と相次ぐ新人の登場で活気づく道展や、多くの大家を擁してきた全道展にくらべると、どうも傍目には新道展が危なっかしく見えて、心配したくなるのかもしれません。
古いほうからかぞえると、道展は創立80年、全道展は60年、新道展は50年をむかえたのです。
1990年代以降は全国紙が日展などの公募展評を掲載しなくなったこともあって中央での公募展は相対的な地位を少しずつ下げつつあるという印象がありますが、北海道は、吉田豪介さん(美術評論家、市立小樽美術館長)が近著「創造への軌跡」でも述べられているように、まだまだ「公募展王国」の色あいを濃くのこしています。
これは、行政などと距離を置き、複数の公募展がしのぎをけずってきたことも背景にあるでしょう。
さて、新道展ですが、展覧会は、毎年のものよりも、会員の気合が入っていることが一目瞭然で、見ごたえがありました。
ただし、心配になったこともありました。図録でもみなさん指摘なさっていますが、後進の育成についてです。
教育大、大谷短大、道都大の卒業生は道展に集中しています。また、全道展は有名な画家が多く、教室をもっている人もたくさんいるので、それぞれの教室の生徒さんが出品します。
いちばん歴史の浅く、一般的には比較的フレッシュな存在だと信じられている新道展が、実は、新顔が加わってくるルートをあまり持っておらず、会員、出品者とも高齢化していることは否定できません。
活性化策については、図録で吉田豪介さんらが、積極的な出品勧誘や高齢者へのアプローチなどを提案しています。これを読むと、みんな新道展のことを、なんだかんだ言って心配しているのだなと思います。
古い伝統と相次ぐ新人の登場で活気づく道展や、多くの大家を擁してきた全道展にくらべると、どうも傍目には新道展が危なっかしく見えて、心配したくなるのかもしれません。