札幌の人は、雪像というと「さっぽろ雪まつり」を思い出すだろう。それがダメだとはいわないが、世界的な雪像の潮流はもっとアーティスティックなものになってる-という話を聞いたことがある。
市民が楽しんでつくっているのはいいけれど、アニメのキャラクターなどがあまりに多く、創造性という点では、西11丁目の国際コンクール以外、物足りないのは確かだと思う。
本郷新記念札幌彫刻美術館で先週開かれた雪像展は、その意味で斬新なものだった。
Twitter(ツイッター)でも書いたけど、ベトナム出身でいまは小樽に住んで制作と発表を精力的に続けているダム・ダン・ライさんが、なんと2点も作っている。
昨年秋、同美術館で個展を開いた陶芸家のタニグチススムさんも「タニグチススム・高田順子チーム」として参加。
抽象彫刻的な作品って、本家のさっぽろ雪まつりではなかなかお目にかかれない。
ほかに斉藤佑介さん、清水宏晃さん、北海道芸術デザイン専門学校チームが参加。
じつはこの催し、名寄市で毎年ひらかれている「なよろ国際雪像彫刻大会 ジャパンカップ」のPRも兼ねている。
同大会に参加したことのあるタニグチさんは、海外からも大勢参加のあるこの名寄の催しが札幌であまり知られていないことを、残念がっていた。
今年の大会は2月8日(月)~14日(日)、名寄市南広場(名寄市西2南9)で。
なお、告知がやや遅れた感は否めない。筆者も、会期末近くの金曜日に北海道新聞の札幌市内版を読んで、最終日にあわてて駆けつけたのだった。
来年も行うようなので、もっと早めに足を運びたい。
もうひとつ無い物ねだりをいえば、この「札幌雪像彫刻」が、モエレのアートスケープや、小川智彦さんたちが取り組んでいる「もうひとつの雪まつり」こと「SapporoII Project」と(■昨年はこちら)連携したフシが見られないのは残念。
なんか、この調子で冬のアートの催しがふえていけば、オモシロイことになりそうだと思うんだけど…。
2010年1月24日(日)-31日(日)
本郷新記念札幌彫刻美術館(中央区宮の森4の12)