谷口明志さんは2~3月に札幌・円山のギャラリー Retaraで個展を開いたばかり。とにかく忙しい方である。その活動ぶりは、とても50代とは思えない。
その際は、壁に突き立てた針金の影がドローイングの線のかわりをしていた。
今回は、アクリル絵の具による白い線が復活。
支持体も黒い矩形(アスファルトフェルト)となり、少しだけ「ふつうの絵」に戻ったような感じだ。
ただし、白い線が宙に浮かんでいる部分は、細く切った金属を用いている。
作品のテーマはこれまでと同じで、空間全体に自由に線を引いたらどうなるか? というもの。
冬のギャラリー Retara や、その前の市立小樽美術館での個展に比べると、線の数自体はかなり減り、全体の線を容易に追えるような分量になっている。
だからといって、手抜きだとかそういうことではない。設営には2日を要し、初日の前はほとんど徹夜で、「法邑の搬入時間記録を更新するような」長期戦だったらしい。
左の画像のように、支持体から細い金属のラインが浮き上がっている。
ただし、これまで数回の個展で、たいせつな役割を果たしていた影は、支持体が黒いために、今回は目立たない存在となっている。
次の画像では、白い線が、支持体が途切れている部分で、床の下にもぐっているように見える。
この1本の線は、途中で微妙に分岐しつつ、画廊会場をぐるりと1周しているのだ。
今回の個展で、唯一、線が交差している箇所。
線は、壁から壁に移行する。
2016年8月17日(水)~28日(日)午前10時~午後6時(最終日~午後4時)、月火休み
茶廊法邑(札幌市東区本町1の1)
●茶廊法邑への道(環状通東駅から)
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