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ギャラリーカフェ「チニタ」―石狩・厚田アートの旅(6)

2018年08月13日 18時46分34秒 | ギャラリー、美術館への道順
(承前)

 「チニタ」は、札幌圏でもっとも到達難度の高いギャラリーの一つである。

 中央バスの「あいロード厚田」行きに乗り、「望来もうらい大橋」「嶺泊」からそれぞれ約2キロ、徒歩25分。
 バスは、札幌の中央バスターミナルから1日5本。




 札幌方面から車で行く場合は、望来地区の市街地を過ぎると、上り坂の途中に「嶺泊覆道」が現れる。
 山のないところにトンネルがあるようなものだが、どうやら冬は吹雪がひどい一帯で、道路にかまぼこ型の覆いをしているらしい。

 この覆道を抜けると直後に、右手に、舗装していない道路が現れる。 
 
 この道をひたすらまっすぐ進むと、右手に「チニタ」の駐車場が出てくる。
 画像のような案内が、覆道の手前に立っている。
 ふつうの速度で車を走らせていて、覆道を出てから「どれどれ」と探していたのでは行き過ぎてしまうので、覆道の中から気をつけておくというか、心の準備をしておいたほうがいいと思う。

 ギャラリーカフェ「チニタ」はシラカバ林に囲まれた大型ログハウスである。
 6月から10月前半までの間だけ営業している。水曜と木曜は休み。
 ご主人など、いったい冬の間はどうしているのだろう。

 鳥のさえずりと葉ずれの音だけが聞こえるぜいたくな環境…といいたいところではあるが、近くにオフロードバイクのコースがあるらしく、駐車場で車をとめると、エンジンの音が響いてくる。
 ただし、店のほうまでおりていくと、あまり聞こえなくなる。

 昔はカフェ店内にも作品が展示してあったように記憶しているが、現在は展示は、カフェの奥にある2階建てのギャラリーで行っている(冒頭画像)。

 筆者が訪れたときは、カフェでカレーの昼食を食べた。シフォンケーキ、サラダ、コーヒーなどがついて1800円だったかな。パスタのほうがおいしそうだった。

 カフェの奥の斜面にはアジサイが咲き乱れ、蜂が忙しそうに蜜を求めて飛び回っていた。
 風にシラカバが大きな枝を揺らす。
 スプリンクラーが芝生に水をとばしていた。
 もう、桃源郷のような感じだ。


 ギャラリーでは、スーパー練り上げで知られる岩見沢の陶芸家、尾形香三夫さんと、厚田にアトリエを構え悠久の風景を描く画家、佐藤武さんの2人展が開かれていた。
 8月1日(水)~31日(金)の開催。
 「練上皿 空中楼閣」「練上縞壺“潤”」など尾形さんの細緻極まる文様はあいかわらず見事。佐藤さんも遠い砂漠の一本道と三日月が描かれた「旅愁」などもしみじみと憂いを感じさせる佳品ぞろい。

(ギャラリーはカフェと別の建物なので、必ずしも飲食をとらなくても作品鑑賞は可能ということになるな)


 ところでこれは余談ですが、ギャラリーの建物は冒頭の画像。
 まるでムーミンの家みたいなので、カフェの主人らしき男性にそのことを言ったら
「そうね、ムーミンはいないけどね、あはは」
と答えが返ってきたのだが、建物に入って中をよく見ると、ムーミンがいたのだった(笑)。置物だけど。






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