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■小林大 作品展 (2024年6月5~10日、札幌)

2024年06月10日 11時13分55秒 | 展覧会の紹介-絵画、版画、イラスト
 小林大さんは札幌の版画家。
 先月、別のカフェバーで個展を開いていたばかりで、しかも来月には北海道版画協会展もひかえており、精力的な活動には頭が下がります(小林大さんは北海道版画協会の事務局もつとめています)。

 
 さすがに今回は旧作も引っ張り出してきたとのことですが、「猫被り人形」「猫始末」といった学生時代の初期作を展示するのは40年以上ぶりとのことですから、新作と同様に新鮮です。

 しかも、確かに現在のように複雑な技法は用いてはいないとはいえ、イマジネーションが画面いっぱいに開花しており目が離せません。
 木の幹がはしご状になっていたり、人?が空を飛んでいたり…。
 最初からこんなに完成度高かったのか…と驚きです。
 
 
 水彩画が3点あったのも珍しいです。

「初恋」(画像中央)はライラックをモティーフにしたさわやかな作品。
 その左側は「三匹の猫」。ほかに「猫と流木」。

 画像右手の「CAT PEOPLES」は銅版画に着彩。
 どこかベルギーの画家アンソールを思わせるドライなまなざしで、さまざまな人間模様ならぬ猫の群像を描いています。
 
 
 今回いちばんの大作「MOON-DAY」。

 この展覧会では「病める子」が少女を描いていますが、ほかの大半の作品は、猫をモティーフにしています。
 近年、猫を描く人は(少なくとも札幌では)きわめて多く、正直なところ個人的にはいささか食傷気味なのですが、小林大さんの場合は猫の顔が変容していたり、人物と合体させたり、ユニークな幻想性を存分に発揮しており、よくあるかわいい猫の絵とは違う作品になっています。

 小林大さんは東京生まれ、高校時代は小樽で過ごしました。
 ニューヨークで研修を行った経験もあるそうです。
 道展会員。北海道版画協会会員。


 他の出品作は次の通り。
月落
招きシーサーくん
ルドルフの系譜
エドガーの系譜
月世界
day dreamⅠ
day dreamⅡ
day dreamⅢ
愚怜者
Liar
シーサー帽子Ⅱ
interview
Fight
ふたり

 このほか、人物の首をテラコッタらしき手法で焼成した小品が大量にありました。


2024年6月5日(水)~10日(月)午前10時~午後7時(最終日~5時)
カフェ北都館ギャラリー(札幌市西区琴似1の3)

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さいとうギャラリー企画展 ゆく年くる年 '21-'22展 =画像なし

小林大 銅版画展 (2018)

小林大 銅版画展 UNIVERSE & FAMILY (2015)

いすのゆめ (2009)
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【告知】銅版画2人展 伊藤倭子・小林大 (2006)
北海道版画協会第47回展 (2006)
小林大・石川亨信銅版画展 (2006)



・地下鉄東西線の琴似駅5番出入り口、エレベーターから約270メートル、徒歩4分
・JR琴似駅から約740メートル、徒歩10分

・ジェイアール北海道バス「山の手一条通」から約920メートル、徒歩12分(快速、都市間高速バスは通過)
・ジェイアール北海道バス、中央バス「西区役所前」から約960メートル、徒歩13分(手稲、小樽方面行きの全便が停車)

カフェ北都館ギャラリーへの道順 (アクセス)


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