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■岡本和行写真展 Powder (2022年7月9~24日、札幌)

2022年07月23日 10時51分52秒 | 展覧会の紹介-写真
 デパート広告や美術館など商業写真を手がけるプロでありつつ、クリエイティブな写真も手がける札幌の岡本和行さん。
 撮る人による差の出にくい「花の写真」の世界に、全く新しい作品を送り出し、北海道新聞くらし面に写真コラム「花すがた」を長期連載したり、美術館に作品が収蔵されたりしたので、ご存じの方も多いでしょう。

 今回は、それとは別のシリーズで、1990年代からひそかに取り組んできたもの。
 その名のとおり、色のついた顔料の粉(パウダー)を、モチーフとその周辺に振りかけて撮影しています。
 冒頭画像の右端はトゥシューズ。全体がオレンジ色です。
 ほか、トランペット、蝶、びん、ヒマワリの造花などが、単色の世界に存在しています。
 フォトレタッチソフトを使えばいいんじゃね? と一瞬思うのですが、岡本さんはフィルムの中判カメラ(4×5)から取り組んでいるのです。
 それに、色のついたフィルターを使ったとしても、微妙な陰影は表現できません。
 パウダーは日本画などに使う顔料です。なかなか高価なものです。
 これを1、2時間かけて少しずつ、ひたすらふりかけます。

「ジャングルアップルは金粉を使っているんですが、すごく軽いので、ちょっと風が吹くと、飛び散っちゃってスタジオ中が粉だらけになる。だから、ほんと、慎重にかけていかないと」
と岡本さんは言いますが、はたから見ていると、いったいなにをしているんだろうと思われるかもしれません。 

  
 昨年、札幌芸術の森美術館で開かれたアートフェアで数点、似た作品を出品しており、その際はフレスコペ紙という、あらかじめ漆喰の成分が表面に塗ってある紙を使っていたそうですが、今回は一般的なプリント用紙です。このシリーズの個展は初めて。
 手間暇のかかる作業をいとわず続ける姿勢が、不思議な、見たことのない作品世界の成立には、欠かせないのかもしれません。

 岡本さんは8月1日から、西区山の手の「浄国寺」で、ハスの花の写真展を開くそうです。

 出品作リストは次のとおり
Airplants
トウモロコシ(ドライ)
violin
オウム貝
カブトムシ(標本)
かぼちゃ
カメラ
キューピー
サイ
ジャングルアップル(ドライ)
ストレチア(生花)
トゥシューズ
トランペット
ビール瓶
ぶどう
ほおずき
ホネガイ
香水瓶
手(マネキン)
人形
蝶(標本)
電気スタンド

盆栽
向日葵(造花)
チューリップ(生花)
ポピー(造花)
月桃
朝顔(造花)
藤(造花)
Beans
般若面


2022年7月9日(土)~24日(日)午前11時~午後6時(最終日~5時)
GALLERY 創(札幌市中央区南9西6 sou.agson.jp )

□花蒐集 hana collection https://studiok2.exblog.jp/

過去の関連記事へのリンク
【告知】パラドックス 岡本和行写真展「花蒐集 hana collection」 (2011)
札幌美術展 真冬の花畑 (2010~11年)

岡本和行写真展「花美」(2009年5月)

岡本和行写真集「花美(HANABI)」





・市電「山鼻9条」から約110メートル、徒歩2分(内回りだと、信号を渡ってすぐです)

・地下鉄南北線「中島公園駅」1番出口から約380メートル、徒歩5分

・ジェイ・アール北海道バス「循環啓55」「循環啓55」「循環啓65」「循環啓66」で、「南9条西7丁目」降車、約210メートル、徒歩3分
(ギャラリー門馬近くの「旭丘高校前」から「循環啓55」で直行できます)

・じょうてつバス「南9条西11丁目」から約750メートル、徒歩10分。(快速7、快速8は通過します)

・中央バス、ジェイ・アール北海道バス「中島公園入口」から約650メートル、徒歩8分


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