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2013年8月10日は11カ所・補遺

2013年08月11日 13時13分32秒 | つれづれ日録
承前)

 前夜の記事が、あまりに簡単だったので追記。
 とにかく、自分としては、久しくしていなかった「ギャラリーまわり」というのをやってみたかったのだ。
 もちろん、北見在住時も、たまに札幌でしていたとはいえ
「朝に家を出発して、公共交通機関を駆使して10カ所以上を回り、夕方戻ってくる」
というかつてほぼ毎週やっていたパターンは、この3年間、数えるほどしかなかったのである。

 札幌のマチは、地図を見なくても歩ける。
 もっとも、地下鉄駅の階段の段数(偶数か奇数か)など、いろんなことを忘れていた。
 階段を一段飛ばしで駆け上がるために、踊り場と踊り場の間が偶数か奇数かは、ちょっと重要な問題なのだ。

 ギャラリーまわりの際は、いちおう綿密な計画をたてる。
 もっとも、そのとおりにならないことのほうが多い。
 この日も途中で行く順番を変更した。


 さて。

 1000円の「1day カード」を手に、バスと地下鉄東豊線を乗りついで、環状通東駅で降車。
 茶廊法邑 さ ろうほうむら伊賀信個展を見る。
 これまでの、つまようじ大の木の棒を埋め込んだ壁掛け型ではなく、モノリス型の数センチの板を規則的に並べたり積んだりしたインスタレーションの大作。
 11日まで。

 駅に戻る途中、ドラッグストアがあったので、立ち寄って歩数計を買う。780円。安い!
 駅のプラットフォームでズボンに取りつけた。
 車内で、クラフトAger(アゲル)のFさんにばったり会う。

 大通駅をおりたら丸井今井があったので、一条館8階のギャラリーで、菊地勝太郎さんの陶芸展を見た。
 案内状に
「穴窯築窯以来如何いかに窯をけば、全てが美しく焼きあがえるかと腐心して参りましたが、水で熱をコントロールしながら焼き上げる方法を考え出し、ようやく理想に近い焼き上がりに到達しました」
とあった。
 もっとも、会場に並んでいる焼き締めの茶碗や皿、花瓶、三島のぐいのみなどを見ても、筆者の目ではどこが変わったのかよくわからない。菊地さんはどこかに行ってしまっていた。



 昼ごろからは湿度が下がり、気持ちの良い天気になってきていた。
 札幌時計台ギャラリーで駒澤千波展今橋香奈子展
 どちらも写実を基調とした日本画なんだけど、動物や人物がにぎやかに画面に躍る駒澤さんと、植物と若い女性ひとりだけでしずかな画面を構成する今橋さんとでは、雰囲気がずいぶん異なるのが興味深い。
 いずれも10日で終了。

 この週は、時計台ギャラリーは3階にある四つの部屋の展示は無し。
 2階のC室は、教育大の学生が日本画展を開いていた。これは偶然らしい。



 次に、先週オープンした小原道城書道美術館へ。
 北2西3交叉点(札幌時計台ビルの北側の四辻)にあるセコム損保ビルの2階にある。
 通常は入場料300円(学生は無料)だが、オープン記念ということで、12日までは無料とのこと。火曜日が定休。
 小原さんは著名な書家であるが、彼の書ではなく、小原さんがコレクションしてきた拓本や、比田井天来、金子鴎亭といった大家の書作品を展示するためのスペースである。道内で書の常設展示は、道立函館美術館が行っているだけなので、札幌の中心部にこのような施設が誕生したことの意味は大きいだろう。

 ところで、2階だから、階段で行こうとすると、非常時以外は通るなという看板が立っている。
 しかたなくエレベーターに乗ると、こんどは「節電」という貼り紙がしてある。
 ううむ。



 クロスホテルの敷地を抜けて、ギャラリーたぴお。
 小島小夜展。1992年生まれ。いろいろなグループ展に参加しているようで、若いっていいですね。
 絵画の小品がたくさん展示されている。
 主なモティーフは、若い女性と、花、ドアのような長方形。
 花の描写が、ドーナツみたいで、色こそ違うけど森本めぐみさんのものにそっくりで、あらためて彼女の影響力に驚く。
 まあ、若いうちは、森本めぐみフォロワーでも奈良美知フォロワーでもいいと思うんだよね。荒巻義雄さんが、いまの若い人は描写力はあっても「描きたいもの」がない―と指摘していたけれど、小島さんの場合は「これが描きたい」という思いというか、ロックで言うところの「初期衝動」があるので、今後が楽しみです。


 先ほどFさんに会ったこともあり、クラフトAger(アゲル)へ。

 2年ぶりに入ると、道内の作家が減って、本州の作り手が多く取り上げられていた。草木染めの帽子や、編んだバッグ、ガラスの器など。現在の展示は11日まで。
 Agerを展開するいぷしろんのFさんによると、丸井今井一条館7階で道内のクラフトを取り上げているとのこと。
 あとは、道内にプロの覚悟を持った作り手が少ないという話をされていた。

 市役所の前まで南下し、「時計台前」バス停からジェイアール北海道バスで「北1条西12丁目」へ。

 資料館を見てから、コンチネンタルギャラリーの川上りえ 札幌文化奨励賞受賞記念 Plus1 Group Exhibition
 近年、人数や回数の量的な拡張を続けてきたグループ「プラスワン」だけど、今回は、りえさんを含めて5人のみ。ただ、会場の大きさからすると、これぐらいがすっきりしていて、良かった。
 18日まで。

 「西11丁目駅」からじょうてつバスに乗って、「南9条西11丁目」降車。
 ギャラリー創(南9西7)。
 南9条西7丁目からジェイアール北海道バスの山鼻環状線に乗る。
 なんだかバスにばかり乗っているなあ。

 この路線は、南9条通を西に進んで、旭丘高校前を通る……と思っていたら、西20丁目で左折して、南11条通に入ってしまった。
 南11西23で降車して、ギャラリー門馬アネックスまで歩く。
 澁谷俊彦 THE WHITE COLLECTIONは、20日まで。
 SNOW PALLET の発展系というか、夏バージョンともいえるかもしれないインスタレーション。
 白くて、おだやかな天然光が入る、この会場にぴったり。

 門馬のオーナー、大井恵子さんは東川の写真フェスティバルに出かけているとのこと。あいかわらず元気だなあ。

 旭丘高校前にはしばらくバスが来ないようなので、ふたたび先ほどの画像の階段をおりて、南11西23からジェイアール北海道バスの「円山公園駅行き」に乗り、大通西25で降車。
 カフェエスキスは大繁盛であった。
 11日まで展示中の黒川絵里奈 切り絵展「遠い記憶の物語」に感心していたら、すぐ近くにすわっていた女性二人連れの片方が、わたしのツイッターのフォロワーさんで、もうひとりが黒川さんご本人であることが判明。

 エスキスのコーヒーはうまいが、この時点でかなりくたびれていたので、琴似・北都館の2人展や4プラホールのポストカード展はあきらめることにして、「円山第一鳥居」からバスで札幌駅まで行き、そこから帰宅した。

 交通費は1830円のところ、1dayカード1000円で済んだ。


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