道展の油彩部に出品している気鋭の女性4人(岸本春代、河野満美子、ミクニキョウコ、水戸麻記子)による初のグループ展。岸本さんと河野さんは会友です。
このうち、水戸さん以外の3人は、道教大の同級生。水戸さんは先輩ですが、中国留学から帰ってのち、おなじ教室でイーゼルをならべていたそうです。
4人はいずれも緻密に描き込むタイプの作風。こういうグループ展があってもおもしろいかも-と、ミクニさんが声をかけて実現しました。
テーマは
「物語を読み解くように、それぞれの世界観を楽しんでもらえる展覧会」
だそうです。
ちなみに、岸本さんは後志管内喜茂別町在住で、のこる3人は札幌に住んでいます。
ふだんの画風とはちょっと異なる面も見られ、興味深い展覧会になっています。
水戸麻記子「遊民街で会いましょう」P100
国籍不明の浮かれた感じは水戸さんならでは。ちょっと古い歓楽街のような雰囲気が漂います。
「砂」F20
こちらはうってかわって、どことなくけだるい感じ。
題名もなぞめいています。
ほかに、おなじみサボテン男が登場する「サボテン」(F0)、「ミツユビナマケモノ」(F10)を出品。
河野さんが1999年の道展で協会賞(最高賞)を得てから9年になるんですねえ。あのときは、すごい新人が現れたなあと感服したものです。
彩度の高い色の線を集積させて、独特の画面をつくります。
「もりのうみ」84.1×59.4センチ
そのころは人物が登場する絵が多かった河野さんですが、近年は静謐(せいひつ)さ漂う風景画が多いです。
「くさはま」S50、「ご近所さん」F8
ほかに、「いえ」F20、「はな」F3、「ふゆ」F0を出品。
岸本さんはおもに動物を題材にしており、ハイパーリアルな筆致が特徴です。以前は、にぎやかすぎるぐらいたくさんの動物を登場させていましたが、近年はだいぶ画面が整理されてきたと思います。
「忘れたこと思い出せるかな」F50
これはいかにも岸本さんらしい作品。
ただ、このライオンの四肢はどうなっているんだろうと、ちょっとふしぎです。
「July」M40
こちらは意外な人物画。クールな感じがしました。
ほかに「さんぽみち」F6、「出発」F4、「夏の訪問者」F0を出品。
ほかの3人は油彩ですが、ミクニキョウコさんは岩絵の具と、パステルやアクリルを併用しています。
「タイムマシンの入口」M60(キャンバス、岩絵の具、油絵の具)
3年前に横浜トリエンナーレに行った際、近くで見た風景だそうです。
スマイルマークがいい味を出しています。
こちらの小品の一部は、2年前に、ご主人の朝地信介さんとひらいた2人展(北区の喫茶手風琴)で発表した作品の、額を変えたものです。
「しずかなおはなし」F0(キャンバス、岩絵の具、油絵の具)
「ひみつののはら」11.0×15.8センチ(板、顔料、岩絵の具)
「雨あがり」13.0×8.7センチ(キャンバス、岩絵の具、アクリル)
「遠い声、遠い場所」S3(キャンバス、岩絵の具、顔料)
「夢喰い虫のみた夢」10.5×10.5センチ(板、顔料、アクリル)
「駅」13.0×8.7センチ(キャンバス、岩絵の具、パステル)
「サーカスの夜」13.0×8.7センチ(キャンバス、岩絵の具、パステル)
「名前のない場所」F10(キャンバス、岩絵の具、油絵の具)
08年6月26日(木)-7月1日(火)10:00-18:00(最終日-17:00)
大同ギャラリー(中央区北3西3、大同生命ビル3階 地図A)
□MITORAMA http://members3.jcom.home.ne.jp/mitorama/
■にかわ絵展(07年、ミクニさんが出品)
■水戸麻記子展 MITORAMA14(08年2月)
■MITORAMA13 夜と朝(07年1月)
■06年4月のミトラマ12
■04年のMITORAMA 11(画像なし)
■02年のMITORAMA X
■02年の二人展
この時期、展覧会多くありませんか?いつも同じですかね?
ワタクシも、仕事、ギャラリー廻り、仕事など・・、細切れの忙しい時期を過ごしました。
自分のグループ展の会場に在廊できたのが、一日に10分とか15分とかでした。
デキた後輩がいるので安心なんですが(笑)。
ちなみに、P100の作品はこれから「のびる」予定です。
ふふふ。
おかげで忙しいです。
といってふゆがヒマだということはぜんぜんないですねえ。
隆介教授と大学時代に「トキワ荘」状態で、暮らしておりまして・・・。
社会人になって、北海道で河野さんの絵に出会い、描いていただきました。
彼女の絵を飾る良いスペースがなかなかできず、
とうとう今夏、家を改装して、
河野作品壁を作りました。
お元気にされていますか。
私のブログで叉掲示します。
お越しいただき、ありがとうございます。
白神さんのblogを拝見しましたが、すごいですね。
そういうお仕事もあるのだなあと感心することしきりでした。
わたしはじつは、河野さんのことはよく存じ上げませんが、それほどの「絵との出会い」があったのはすばらしいことだと思います。