北海道美術ネット別館

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■関原範子造形展 燦 五月の便り(5月27日まで)

2007年08月08日 23時21分00秒 | 展覧会の紹介-工芸、クラフト
 アクリルという、工芸ではあまり使われない素材で、独自の立体を作りつづけている関原さん。
 作品は、毎年のように、20世紀には全道展で、退会後は現代工芸会北海道展で拝見してきたわけですが、こうしてまとめて見ると、強いインパクトがありました。公募展では発表がむつかしいスケールの作品もありました。

 たとえば、ロビーにあったインスタレーション「擁」。繊維のようなアクリル材を束にしてひねり、ピンクや緑などさまざまに着彩したものです。
 すばやい線の動きだけが空中に具現化したようなおもしろさを感じました。

 「秋光煌」は、表面に多彩な七宝をちりばめた直方体。
 女子美大の学生時代からとりくんできた七宝技法をフルに生かしています。

 「道」の連作は、透明アクリルを使い、見る角度によってさまざまに表情を変えます。どことなく和のテイストを持っています。

 「作品I」は、茶色を帯びた矩形で、上からのぞきこむと、透明なアクリルの層のなかに、白や緑の不定形の模様がうかび、吸い込まれそうな錯覚におちいります。
 アクリルという素材がこれほど美しい作品になるのか-と、感銘を抱きます。

 ただ、苦言を申せば、踊り場にあった「燦燦」は、いくらなんでも宮脇愛子の彫刻に影響されすぎだと思います。


 最後に、会場にあった作者の言葉を引用しておきます。

白一色の風景が瞬時に陽光燦めく中へ・・・
とは言え、あの針葉樹の若葉と共に咲き競う桜花は、ひときわ優しくそして透明です。
爽やかな淡紅色は透き徹る輝き、早春のイメージとはつややかの世界に踏み入ります。
作品は私が生を受けて以来耳にし、目に入れて過ごした歳月を今日に至るまでの時を想い心の故郷を表現しようとしたものです。
素材と技の調和を求めた成果を作品と考えます。
協作の一区切り、一区切りがその時々の現代であります。
未来は現代のエンドレスです。
 

07年5月7日(月)-27日(日)9:00-18:00(土・日曜は-16:00)
STV北2条ビル エントランスアート(中央区北2西2 地図A)

2006日本現代工芸展北海道会展(画像なし)


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