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藤戸竹喜さん死去(木彫家)

2018年11月03日 23時59分00秒 | 新聞などのニュースから
(10月28日に書き終えていた記事ですが、Twitterで死去の報を書いたあと、アップするのを失念していました。すみませんでした)

 昨秋、札幌芸術の森美術館が企画した個展で、クマの木彫りや人物像を多数発表し、その技量と精神性の高さに多くの人が驚いた藤戸竹喜さんの訃報が入っています。
 北海道新聞が10月27日報じ、釧路新聞、NHKは28日に追いかけました。

 その美術館で見た記録映像では、元気にのみを振るい、カートに乗って阿寒湖周辺を走り回る様子も見られたので、まだまだお元気だと思っていたのですが、今年に入って体調を崩し、札幌や釧路の病院に入院していたそうです。

 一般の札幌人には、JR札幌駅構内にあるエカシ(長老)の像がおなじみでしょう。
 あの作品ひとつとってみても、たいへんな腕の持ち主だということがわかると思います。

 藤戸さんの作品は、いわゆる西洋由来の彫刻とも、日本の伝統的な木彫とも異なる、独自の世界と可能性を持っていました。

 ご冥福をお祈りします。
 

 北海道新聞2018年10月27日朝刊から。

 【阿寒湖温泉】アイヌ芸術の第一人者で今年の北海道功労賞に選ばれた釧路市阿寒湖温泉のアイヌ民族彫刻家、藤戸竹喜ふじ と たけ き さんが26日午後4時31分、多臓器不全のため釧路市内の病院で死去した。84歳。オホーツク管内美幌町生まれ。

(中略)

 生まれて間もなく母親を亡くし、熊彫り職人だった父親と旭川を拠点に道内各地を出稼ぎに歩いた。旭川・近文国民学校に入学するも2年で中退。11歳から父親をまねて熊を彫り始め、1964年、阿寒湖畔に民芸店「熊の家」を開いた。

 熊をはじめ動物や等身大の人物像などを精力的に制作し、国内外から高く評価されていた。99年に米国スミソニアン国立自然史博物館にアイヌ民族をモデルにした等身大像が展示された。14年にはJR札幌駅にエカシ(長老)像が設置された。15年に北海道文化賞。

 高い芸術性から「工芸品」や「民芸品」だったアイヌ作品を「アート」に押し上げる推進力となった。(以下略)



関連記事へのリンク
現れよ。森羅の生命― 木彫家 藤戸竹喜の世界 ■続き ■「木彫家 藤戸竹喜の世界」展図録の齋藤玲子国立民族学博物館准教授による論文「藤戸竹喜と木彫り熊とアイヌ文化」の意義 (2017)

参考
札幌芸術の森美術館のページ
□「サライ」インタビュー https://serai.jp/hobby/293328


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