世の中にはラーメン好きとか、カレー好きという人はたくさんいる。
だがトンカツ好きは、あまり目立たない。
自己主張しない
全人格的にそうだというのではなく、ただトンカツという方向性においてだけである。
ラーメン好きの人は、よく有名店の前などで行列しているが、あまり仲が良さそうではない。
何だか雰囲気がギスギスしている。
トンカツ屋に行列する人はいないが、雰囲気は穏やかである。
揚げ物の匂いが染みついた空間の中で、声高に語れない濃厚な快楽を味わっている。
その喜びは静かなものであるから、ラーメンの専門誌とかカレーの大特集はよくあるけれど、トンカツの専門誌というのはない(と思う)。
ラーメン博物館、カレー専門館はあるけれど、トンカツ博物館はない。
それどころかトンカツ会館も、トンカツコミュニティセンターもない。
だがトンカツに対する静かな情熱は、人々の心を結んでいるのだ。
アタクシも…
大きい声では言えないが…
トンカツ(ヒレではなくロースのほうが)好きなのであります。