潘基文国連事務総長が有能だという評価は寡聞にして知らないが、今度は事務総長就任後5年経って初めてイランを訪問する。21世紀のこの時代に「非同盟諸国」という言葉も時代錯誤はなはだしいが、イランで開催されるいかがわしい語感のする会議に出席のためとのこと。アサド支援を公言してやまないイランを国連事務総長が丸腰で訪問するとは、イスラエルならずとも開いた口が塞がらないだろう。停戦監視団がシリアから撤退し、次の手について何の方針も持たない国連が、また一つ、自分の威信を貶める愚挙に出た、というところだろうか。当面、アサドシリア大統領にとってはやりたい放題の日が続くことになる。レバノンがシリアから派生した宗教対立のあおりを受けて国家崩壊するまで、国際社会の目がこちらに向けられることはなさそうだ。
欧州ではまたギリシャの債務問題(つれてスペイン、イタリアも)が再燃してきた。メルケル首相はドイツ国民の税金がギリシャに野放図に費消されることを受け入れることはできない。欧州の長い夏休みが明けて、やはり状況は好転していなかったということだろう。
猛暑が一服しどこかに秋の気配が感じられる今日は処暑。