真冬に逆戻りしたような雪の北海道から東京に移動。札幌から新千歳への快速エアポートで満員のなか、ひざが悪いので肘掛に寄りかからせてほしいと言う人に席を譲る。列車などで座席を譲るときにはいつもそうなのだが、たいてい相手は恐縮して固辞する。今回も始めは30分ですからと遠慮されたが、ひざの痛い人にとって遅延気味の列車のすし詰め状態での30分はいかにも長い。肩を押すようにしてなんだか強引にすすめた格好になってしまった。
たまたまその人とはおなじJAL便で彼女はJクラスの通路側最後列、こちらはいつもの普通席最前列窓側で一列違いだった。春めいた明るい色のオーバーコートとそれに色調を合わせた旅行用バッグから見ると、北海道に用のあった東京在住の人かもしれない。黒い髪と白い肌、ほっそりした姿が印象的。そのひざの状態は一時的なものかどうかはわからないが、羽田で人ごみに紛れていった後姿にいずれ快癒することを希った。
いったん上昇するとそこには雲海。
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