米国人口統計局の発表によれば、2011年の新生児の数は黒人・ヒスパニックやアジア系などのマイノリテイが白人などのマジョリテイを米国史上初めて上回ったとの事。マジョリテイの出生率が低下する一方、マイノリテイは相変わらず移民の流入が続き、かつ多産であることが主因。ただ、ヒスパニック系移民の主たる出身国であるメキシコからの移民が頭打ちになることから単純にこれからも同じ傾向になるとは言いがたい。しかし、専門家によれば、米国は常に移民を必要としており、今後景気が回復したりすると移民が必要となり、いずれにせよこの傾向は定着すると見ている。
いささか言葉の遊びになるが、マイノリテイの新生児数がマジョリテイになるとは、アメリカとはやはり移民の国である。
予想通りギリシャの再選挙が行われることになった。先行きへの不安から世界の株式、為替市場は神経質な動きを見せている。EUやIMFからの支援を受けるための緊縮策は受け入れないとする急進左翼連合(SYRIZA)が今度は第一党になりそうだ。ギリシャ国民は、空想的な政策を振り回すこの政党を支援しそう。急進左翼連合(SYRIZA)はEUからの圧力をブラフであり最後は「泣く子と地頭には勝てない」式の展開を期待し国民もその危険な賭けに乗ろうとしている。私見ではあるが、今回のEUおよびIMFの発言をブラフとみなすのは危険すぎると思う。EU各国の納税者に、これ以上ギリシャの甘えを認めるよう説得することはどんな政治家にとっても不可能だろう。
すでに懸念されていたギリシャからの巨額の資本逃避が始まっており、この国は国家経済破綻、ハイパーインフレに向かって突き進んでいるようだ。20年ほど前、経済不況の真っただ中にあったアイルランドを旅した時の国民生活の窮乏を思い出す。
NASAが発表した巨大ブラックホールが星を飲み込む瞬間の写真(X線望遠鏡のデータをコンピュータにより画像化した)は息をのむほどに美しい。これまで理論的には予知されていたが、その実在を確認したのは初めてということ。たまたま巨大なブラックホールの近くを通りかかった不運な星が恐ろしいほどの重力によって引き伸ばされ、ついには飲み込まれた、という。
翻って、その姿は債務危機というブラックホールに飲み込まれようとしている欧州の某国の姿と二重写しに見える。緊縮しようがしまいが、あるいは成長戦略をとろうがとるまいが、財政破綻の苦痛から国民が逃れることはできないことは、帝政ローマ時代から1930年代のドイツまで、歴史が証明している。
東京では3月末に咲いたレンギョウが北海道では今満開になっている。ここまで北上してくるのに一月半かかるということだろう。今日の札幌は風は強いものの、日差しは強く空が高い。