少年カメラ・クラブ

子供心を失わない大人であり続けたいと思います。

精神病と人類の文化

2005-05-11 23:29:02 | 哲学
さっき読み終えた本によると、人類(ホモ・サピエンス)が高等な文化を持つようになったのは、その祖先が突然変異によって精神病を発生するようになったからだという。確かに、文化的な偉業を成し遂げた芸術家や科学者の家系には精神病を病む者が多いのだという。

その理論の是非はどうか知らないが、何かプラスのものを生み出すためには必ずマイナスも伴う必要があるというのは、世の習いのような気はする。真空の中から電子と陽電子が生まれ、またそれが結合して真空に帰っていくように。

私たちの世界にとっては、電子がリアルな存在だが、それは私たちの勝手な都合に過ぎないのかもしれない。電子と陽電子のどっちが上か下かなんて誰にも決められはしない。

天才と精神病患者だって同じかもしれないなあと思う。どっちが正しくてどっちが間違っているのか。それは、私たちの勝手な判断に過ぎない。余計なお世話というものかもしれない。

でも、それでも私たちは芸術を愛し、病気の人を少しでも減らそうと努力する。そのことに意味がると信じて。二つの素粒子は、それらが存在できるわずかな時間の後に何の形跡も残さず消えていってしまう運命にあるにもかかわらず、様々な物質を作り出す。ほんの一時咲き誇って散っていく花のように。そこに私たちは美しさを感じるのだ。