こころの文庫(つねじいさんのエッ!日記)

家族を愛してやまぬ平凡な「おじいちゃん」が味わう日々の幸せライフを綴ってみました。

恥も外聞もなく何枚も重ね着

2015年06月21日 18時59分24秒 | 文芸
恥じも外聞もなく何枚も重ね着

 小生、12月生まれ。誰も彼もが「ああ、それでか」と口を揃えて感心する。寒さに強い、と思うらしい。
 確かに条件が揃っている。いまの職場は仕出し・弁当の製造工場で、担当する調理場は常に18度以下の温度設定を余儀なくされる。しかも深夜から早朝までの勤務。扱う食材の大半は冷凍品で、夏場は冷房がガンガン効いているし、冬場は底冷えがする中、立ちっ放しで仕事をする。こんな環境でもう10年以上勤めており、そこに12月生まれが加われば、当然の反応と言っていい。
 でも、当の本人は無類の寒がり屋で、冬はこたつで丸くなる猫の心境だ。それを生れ月で決めつけられては心外この上ない。
 寒がり屋だから防寒対策は万全を期す。パッチとラクダのシャツは必須のアイテムだ。厳寒期には二枚の重ね着どころか3枚、4枚の時もある。「太ったね」と言われるのはしょっちゅうだが、恥も外聞もない。ただ実行あるのみである。誰も助けてくれないのだから。
(讀賣・2004・12・12掲載)
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4コマ漫画

2015年06月21日 09時50分26秒 | マンガ
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娘の初任給に感激ひとしお

2015年06月21日 06時48分53秒 | 文芸
娘の初任給に感激ひとしお!

「おとうさん、これ」
 仕事から帰った娘のちょっと照れくさげな声に振り返る。鼻先に突き出された娘の手にひとつの封筒。開けてみると、給料の明細書だ。
「きょうやったんか?」
「うん」
「ようけやないあか」
「へ、へ、へ、へ」
「ご苦労さん」
「うん」
 日頃はめったに会話のはずまなくなった男親と娘。その見えない垣根が自然に取り払われている。この4月に介護福祉士として働き出した娘の「初任給」が果たした奇跡?だ。
 今年、成人式を迎えたばかりの娘は、高校の福祉科から福祉の専門学校に進んだ。かなり悪戦苦闘をしながらも精いっぱい頑張り、ついに目標だった介護福祉士の資格を得て特養老人施設のスタッフになった。
 そして今日、「ありがとうございました」と、祖父母、きょうだい、親に初任給の一部を包んで渡した娘。
 腰の定まらなかった青春しか知らない父親は、そんな娘が実に眩しかった。感激はひとしおだ。さらに娘は頑張る負けてはいられない。ずっと生き方を刺激し合える親子でありたいからだ。
(讀賣・2004・5・14掲載)
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絵手紙

2015年06月21日 01時44分24秒 | 絵手紙
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子どもと触れ合う大切さを知り

2015年06月21日 00時05分26秒 | 文芸
子どもと触れ合う大切さ知り

「家族みんなで泊まりの旅行へ行かへんか?」に対し、「そんなんええわ」「友だちと約束してんねん」「もう、そんな子どもやないねん」
 近頃は上の子どもたちてんでに、そう断られてしまう。
 結局この夏も一緒に出掛けるのは小学二年の末娘だけ。親子三人の度である。旅先で甘える娘に応えてやると、何ともいえない笑顔が返ってくる。
「この時間だけは大切にしなきゃあな」とつくづく思う。二度と戻らない親子の短い貴重な時間。
 上の子どもたちには充分与えなかったと後悔する。仕事や自分の時間を優先し、貴重な時間を軽視してしまったとの思いは強い。
 成長した子どもたちとの距離は開くばかりだ。寂しくても、もう絶対に取り戻せない。
 だから、上の子どもたちとも「出来るならもう一度……」と思わない日はない。
(讀賣・2004・8・29掲載)
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わたしのスポーツ

2015年06月20日 19時27分21秒 | 文芸
物心がついたときに初めて自分がウンチ(運動神経音痴)だと思い知らされた。学校の体育の実技はいつもボロボロ、クラスメートの嘲笑を買った。おかげで運動に関しては劣等感のかたまり。いまだに投げる・走る・飛ぶ……など、まず手は出さない。恥をかくのがわかっているからだ。そんな私が最近目覚めたのはウォーキング。人間、毎日やっているから、スーッと入って行かれた。16キロを完歩したとき、私は目覚めた。「これだ!」歩き終えた後の爽快感は最高だった。ビールがうまかったっけ。以来、小野・加西・三木と各市のウォーキングイベントに足しげく通いだした。これまで歩いた最高は20キロコース。ともに歩く参加者の大半が私と同じ団塊の世代から上の方々。マイペースで歩ける環境は完ぺきではないか。オレンジカラーのリュックを背負って緑豊かな自然の中を闊歩する。これがわたしが自信を持って取り組める、唯一のスポーツなのである。さあ、今日も歩け歩けと行きましょうか。

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花をつけない娘の記念の気

2015年06月20日 16時42分43秒 | 文芸
花をつけない娘の記念の木

 小学校2年生になる末娘が生まれた時、記念に庭へ桜の木2本を植えた。 そのうちの一本が去年の台風の直撃で根元から折れた。やっと花を咲かせ始めたと言うのに、幹が裂けてしまってはどうしようもない。娘と一緒に片付け、薪にした。
 強風にさらされながら生き残ったもう一本は、土に適応しないのか、葉桜のままだ。折れた桜の方が結構花をつけて楽しませてくれただけに、「おまえはウドの大木か?」と、文句のひとつも言いたくなる。引き倒して別の木を植えたいが、娘が大反対。
「もうすぐ、花丸がいっぱいになるよね」と、つぼみらしきものに話し掛けている。
 その翌年の春。娘のお身が通じたのか、桜の花がちらほら開いた。
「ほら、やっと花丸貰えたんだ:
 娘は我がことのように喜色満面でつぶやいた。
(讀賣・2005・4・10掲載)
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訪問販売は?

2015年06月20日 13時58分05秒 | 文芸
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空を眺め疑うクセ

2015年06月20日 12時37分27秒 | 文芸
空を眺め疑うクセ

 人の言うことは簡単に信じる性格。占いから血液型、そして同列に並べて申し訳ないが、天気予報もそうであった。しかも、すぐ人に教えたがるおっちょこちょい。あやふやな言い回しの予報を「明日は絶対に雨が降る」なんて余計な“絶対”までつけて。それほど信じていた天気予報だったのに……。
 真冬には、雪が降りそうな気配だと家には帰らず、店に泊まるようにしている。翌朝、凍(い)てついた道に難渋するから。この際、目安にするのが天気予報。「明日は晴れ、気温も高くなるでしょう」に安心して帰宅した。
 だが、翌朝はなんと寒波襲来の影響が!悪戦苦闘の末、雪の中を半日がかりで店にたどり着いた。
 それ以来、天気だけはいくら予報を耳にしても、戸外で空を眺め、「本当かな?」と疑って疑ってしまうのがクセになった。
(讀賣・1988・4・17掲載)
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日本の魂持つアヤコに共感

2015年06月20日 10時35分21秒 | 文芸
日本の魂もつアヤコに共感

 プロゴルファーの岡本綾子選手のインタビューをテレビで拝見した。明確な会話が、実績に似合ったたくましさを感じさせる。30代で頭の半分が既に白髪だとの秘話。メジャーゲームの初優勝を逃した瞬間に覚えた動揺。腰痛に苦しみ抜いた時期の苦悩。ちょっぴり照れ臭そうにしゃべる姿はとても身近に感じた。
「米国籍に変えられたほうが、もっと飛躍出来るのでは?」の問いに、さして恰好をつけるでもなくサラリと、「親がいる間は一緒にいたい。でも、日本には大半いない現状だから、せめて名前だけでも、戸籍の中で親の隣に置いときたいんですよ」。
 ほほえみながら語る彼女に、思わず膝を正した。米国を本拠地にする彼女に、最近忘れられつつある日本人の大事なものを教えられた気がしたのである。
 親と別居が前提の結婚。親がボケたり、寝たきりになると専門施設にまかせて知らぬ顔。そんな風潮の昨今を見るにつけ、「よくぞ言ってくれた!」である。
 翌夕、「岡本さん、総理大臣顕彰」の記事を見つけ、快哉(かいさい)を叫ぶ。あれだけの実績を積み上げ、その上、より日本的な心を持ち続ける彼女に、絶大なる賛辞を送りたい。
(朝日・1987・12・6掲載)
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