難聴者の生活

難聴者の日々の生活から、人工内耳など難聴者のコミュニケーション、聴覚障害者の制度改革について語る。

これが要約筆記の醍醐味だ  

2007年10月02日 20時45分49秒 | 要約筆記事業
070831_0838~001.jpg今日は本社でコンサルティングを受けられるかどうかを候補社に打診する会議だった。

紙は用意したがペンを忘れてしまった。
両脇に要約筆記者が座り、会議が始まる。

担当から依頼内容が説明される。何か話し方がスムーズでないなと気付いた。

要約筆記が付けば話の内容が分かるので話し手や参加者の顔を見たり、資料を探す余裕も出る。

たんたんと書かれるきれいな字を読み取るが、コンサルティングを依頼しようとする内容の説明があいまいで、受ける会社もあれこれ質問するがどうにも話が進まない。
たまりかねて、話の背景や現在の検討内容を説明した。

やっと意図を理解してくれたようだ。
しかしどうも雰囲気がおかしい。

要約筆記者はいつものように帰ろうとする。何か話があるかも知れないからと待機してもらった。
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するとちょっと待って、話があると言われて、二人だけで説明を聞いた。もちろん要約筆記者は同席してたんたんと書いている。
こうした話になると考え自分と相手の間には要約筆記者は座らないよう位置を変えておく。

昨日状況が変わったことがわかった。それで合点がいった。そうだったのだ。


今日の会議のように、普通に参加し、意見も出せ、内密の話も出来た。これは要約筆記者の技術も対応も高いレベルでないと出来なかったろう。

要約筆記の醍醐味を十分に味わった一日だった。


ラビット 記 



聞こえない人に分かる地震報道

2007年10月02日 12時58分55秒 | 福祉サービス
071001_0531~001.jpg071001_0530~002.jpg神奈川県西部地震のテレビの報道を見ているとどれも各地の震度や津波のことは画面に出て、音声でも話されるが、電話取材で聞いたJRや新幹線の運行状況は文字化されないままだ。それが地震発生後3時間も経っても出て来ない。

その中で、みのもんた氏がホワイトボードにそうした状況が手書きで書かれたものを見ながら説明していた。

これなら、すぐに分かる。
聞こえない人が文字による情報を緊急時は特に必要としていることを理解して欲しい。


ラビット 記



障害者自立支援法の「抜本的改革」とは?! 難聴者の場合

2007年10月02日 09時52分21秒 | 生活
障害者自立支援法の抜本的改革を、自民党も民主党も提唱している。
その内容は、応益負担を応能負担に戻すことのようだ。
しかし、障害者自立支援法は、そもそも三位一体改革に抵抗するために、地方行政施策の障害者施策の遅れを理由に影響力を残したい厚生労働省と財政「改革」を進めたい財務省側の折衷施策として、出されてきたものだ。
これは、障害者自立支援法の強行採決後の元尾辻厚生労働大臣がテレビインタビューの中ではしなくも話してしまった。

地域生活支援事業は、市町村の事業の内容を明確にした意義はあるが、費用の負担を市町村の判断に委ねるなど、応益負担への道を残してしまった。
移動支援が、支援費制度事業から地域生活支援事業に移行した時、無償化することも出来たのに有償のままになったことに影響が出た。

聴覚障害者の利用するコミュニケーション支援事業は今まで無料であったことから、全国で自治体に無料化の継続を要望して、ほとんどの自治体では無償になっている。このことは他の障害者団体にも影響を与え、視覚障害者団体も移動支援の応益負担に反対していると言う。

応益負担は、個別支援と地域生活支援事業の両方で無くさなければならない。

合わせて、地域生活支援事業が本当に聴覚障害者のために施行されているか検証し、抜本的改革が必要だ。
○市町村の要約筆記者派遣事業の未実施の場合の都道府県事業の義務化
○要約筆記者養成・研修事業の義務化と実施
○要約筆記者の団体、集合体への派遣の復活、継続
○市町村、県域を越える広域派遣の制度化保障
○難聴者支援など奉仕員事業の事業内容の見直し
○パソコン文字表記や電話仲介サービスなどコミュニケーション支援事業の多様化
○難聴者等のエンパワメントの事業化
○補聴器給付基準と基準価格の改定


ラビット 記