難聴者の生活

難聴者の日々の生活から、人工内耳など難聴者のコミュニケーション、聴覚障害者の制度改革について語る。

障害者権利条約の内容について 「聴覚障害者」

2007年10月15日 20時27分33秒 | 権利

070414_1730~001広島ケーキダミー.jpg障害者権利条約の政府仮訳には、「聴覚障害者」は2回だけ出てくる。
第二四条教育の第3項(b)
「(b)手話の習得及び聴覚障害者の社会の言語的な同一性の促進を容易にすること。」
と第三十条文化的な生活、レクリエーション、余暇及びスポーツへの参加の第4項 
「4 障害者は、他の者と平等に、その独自の文化的及び言語的な同一性(手話及び聴覚障害者の文化を含む。)の承認及び支持を受ける権利を有する。」
だ。
文意から、「聴覚障害者」=「ろう者」のように見える。難聴者は、コミュニケーションの多様性、特性はあるが、独自の文化を主張していない。

政府仮訳の「聴覚障害者」は「ろう者」とすべきか、それとも難聴者、中途失聴者を含むのか、別の訳語を充てるべきか考えなければならない。

ちなみに、「聴覚障害」は他に1箇所しかない。
第二四条の教育の先ほどの第3項の(c)だ。
「(c)視覚障害若しくは聴覚障害又はこれらの重複障害のある者(特に児童)の教育が、その個人にとって最も適当な言語並びに意思疎通の形態及び手段で、かつ、学問的及び社会的な発達を最大にする環境において行われることを確保すること。」


070308_2041~001獻琥メーカー.jpg「難聴」はどこにもなく、「聴覚」は第二条の「意思疎通」の定義の中だけだ。
「「意思疎通」とは、言語、文字表記、点字、触覚を使った意思疎通、拡大文字、利用可能なマルチメディア並びに筆記、聴覚、平易な言葉及び朗読者による意思疎通の形態、手段及び様式並びに補助的及び代替的な意思疎通の形態、手段及び様式(利用可能な情報通信技術を含む。)をいう。」

聴覚障害を持つ者が多様なコミュニケーション形態をもち、多様なニーズを持っていることがこの権利条約から読み取れるか?読み取れない、あるいは判りにくいならば、政府訳に注釈を加えるなどの要望が必要になる。


ラビット 記


聴覚障害者に優しいドライブスルー

2007年10月15日 17時54分23秒 | 生活
サンフランシスコの風さんから、ニュースの知らせが届いた。

2007年08月05日の
「聴覚障害者のためのドライブスルーの『オーダー・アシスト』」のビデオの説明です。
http://blogs.dion.ne.jp/rabit/archives/6016306.html


ラビット 記
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http://www.youtube.com/watch?v=tjW1eWopbZU

シカゴにあるカルヴァーというファーストフード店には、聴覚障害者がドライブスルーを使うときに便利なボタンがあります。
上記ユーチューブでビデオをご覧下さい。

このボタン推すと、中にいる店員が聴覚障害者の来店を察知します。

聴覚障害者は写真のメニューを見て何を注文するか決めてから前進するとそこに注文用紙がおいてあり、それにオーダーをチェックして中に渡します。

シカゴではこの店だけが使っているようですが、この装置は700ドル程度で買えるそうです。

リピーターの聴覚障害者のお客に便利なようにと思った店長の発想だということです。

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教科書バリアフリー法案の提案

2007年10月15日 12時34分05秒 | 権利
障害者放送協議会の著作権委員会、情報・通信バリアフリー委員会で、教科書バリアフリー法案の紹介があった。

視覚障害者関係の長年の要望が教科書バリアフリー法案として、結実していると思う。
権利条約の批准に伴う、国内法整備の中で、こうした新規の法律も必要になるだろう。
これらの基礎的な法律となる、障害者権利法、差別禁止法、情報バリアフリー法の制定が議論される。


ラビット 記
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教科書バリアフリーを目指しての賛同呼びかけ(長文です。)


> 拡大教科書問題関係者各位
>
>  筑波大学附属視覚特別支援学校の宇野です。
>
>  このメールは「教科書バリアフリー法」(案)についての賛同団体を呼びかけるも
> のですので、転送、転載は大歓迎です。
>
>  先のメールでお知らせいたしましたが、拡大教科書の普及と充実に向けた教科書協
> 会での検討は、拡大教科書の自社出版については先送りされ、デジタルデータの提供
> については一部の教科の文字データのみ提供するという消極的なものにとどまりまし
> た。昨年の国会での付帯決議や文部科学大臣の書簡での要請と言えども、法的には強
> 制力がないわけでこのままでは安定的な供給体制の確立はずるずると先延ばしにされ
> かねません。そこで、盲学校の高等部や高等学校段階を含め、小・中・高の全ての検
> 定教科書が確実に拡大でも入手できるよう法制度化を求めていく必要があろうかと感
> じています。また、拡大教科書の問題のみならず、点字教科書や音声教科書における
> 問題や発達障害のニーズも含め、障害児の「教科書バリアフリー法」としての立法化
> を模索したいと考えております。まずは、仮の案を添付させていただきますので、ご
> 一読いただければ幸いです。また、本法案の主旨にご賛同いただける団体がありまし
> たら、是非団体としての賛同を表明していただければありがたいです。どんな小さな
> グループでも「数は力」ですので、できるだけ多くの賛同団体にご協力いただきたい
> と考えております。
>
>  拡大教科書については、文部科学省及び教科書出版社による最大公約数的な拡大教
> 科書の発行と全デジタルデータの提供。
>  点字教科書については、文字データと原本教科書の早期提供。
>  音声教科書については、拡大や点字と同じように教科書として認知し、無償給与の
> 対象とすることを求めています。
>
>  尚、賛同を表明していただける場合は、会の正式名称をお知らせ下さい。
>
>  何卒よろしくお願い申し上げます。
>


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障害のある児童・生徒のニーズに応じた教科用図書の保障に関する法律(案)
(教科書バリアフリー法)

(目的)
第一条 この法律は、障害のある児童・生徒のニーズに応じた教科用図書の保障に関し、基本理念を定め、並びに国及び教科書出版社の責務等を明らかにするとともに、教科書保障に関する必要な事項を定めることにより、すべての児童・生徒が教育を受ける権利を平等に享受できる施策を総合的且つ計画的に推進し、もって障害のある児童・生徒の安定的且つ継続的な学習の支援に資することを目的とする。

(定義)
第二条 この法律において「教科用図書」とは学校教育法第二十一条第一項(第四十条、第五十一条、第五十一条の九第一項及び第七十六条において準用する場合を含む。)により、小学校、中学校、高等学校及び特別支援学校において使用が義務付けられている文部科学大臣の検定を経た教科用図書、又は文部科学省が著作の名義を有する教科用図書及び学校教育法第百七条により採択された教科用図書をいう。(以下「教科書」という。)また、「障害のある児童・生徒」とは、小学校、中学校、高等学校及び特別支援学校に在籍し、視覚障害や発達障害等の障害により、教科書を読書することに何らかの困難がある児童・生徒をいう。

(基本理念)
第三条 教科書保障に関する施策の推進は、障害のある児童・生徒にとって、学校教育上、確かな学力を身に付けていく上で欠くことのできないものであることに鑑み、すべての障害のある児童・生徒のニーズに応じた適切な教科書が確実に給与されることを旨として、行われなければならない。

(国の責務)
第四条 国は、前条の基本理念(以下「基本理念」という。)にのっとり、検定教科書と同様に、障害のある児童・生徒のニーズに応じた、拡大教科書、点字教科書及び音声教科書等が安定的に給与できるような施策を総合的に策定し、及び実施する責務を有する。

(検定教科書出版社の責務)
第五条 検定教科書出版社は、基本理念にのっとり、文部科学大臣の検定を経た後、拡大教科書、点字教科書及び音声教科書等が確実に給与されるよう国が策定する施策に従わなければならない。

(拡大教科書の保障)
第六条 文部科学省は、特別支援学校(視覚障害教育領域)の義務教育段階における拡大教科書を発行しなければならない。文部科学大臣は、その編集に関する基準を定め、これを公表するものとする。
2 検定教科書出版社は、文部科学省が発行する拡大教科書を除き、前項の編集基準を参考に、検定教科書と同時に拡大教科書の発行を行わなければならない。
3 検定教科書出版社は、第一項及び第二項の拡大教科書を更に改変する必要がある場合、前年12月末までに製作を依頼する機関にその文字データ、画像データ及び供給用教科書の提供を行わなければならない。文部科学大臣は、そのデータが他機関にとって利用しやすいものとなるよう事前にデータ形式に関する基準を定め、これを公表するものとする。

(点字教科書の保障)
第七条
検定教科書出版社は、文部科学省もしくは検定教科書出版社が点字教科書を発行することが困難である場合、前年12月末までに点訳を依頼する機関にその文字データ及び供給用教科書の提供を行わなければならない。文部科学大臣は、そのデータが他機関にとって利用しやすいものとなるよう事前にデータ形式に関する基準を定め、これを公表するものとする。

(音声教科書の保障)
第八条 国は、障害のある児童・生徒にとって、拡大文字もしくは点字による学習が困難な場合、または音声による学習が効果的と判断される場合、録音による図書を教科書として給与するものとする。
2 教科書出版社は、音声教科書を発行することが困難である場合、前年12月末までに音訳を依頼する機関に供給用教科書の提供を行わなければならない。

(関係機関等との連携強化)
第九条 国は、障害のある児童・生徒のための教科書保障に関する施策が円滑に実施されるよう、教育委員会、教育機関その他の関係機関及び民間団体との連携の強化その他必要な体制の整備に努めるものとする。

(財政上の措置等)
第十条 国は、障害のある児童・生徒の教科書が確実に保障されるよう、必要にして充分な財政上の措置を講じなければならない。

附則
 この法律は、公布の日から施行する。