難聴者の生活

難聴者の日々の生活から、人工内耳など難聴者のコミュニケーション、聴覚障害者の制度改革について語る。

共通規格のネットテレビが来年には実現? バリアフリーは?

2007年10月11日 21時16分32秒 | バリアフリー
070830_1658~003.jpg071005_0536~001.jpgデジタル放送テレビとインターネットの接続の出来るテレビはまだ多くはない。
数年前から販売している松下電器のTナビなどがあるくらいだ。

テレビでネットを利用するのはマイクロソフトのWebTVもあったが、ブロードバンド化も進んでおらず、コンテンツ開発やCPUの能力、著作権法の制約などもあって、普及しなかった。

一方、現在はブロードバンド・プロバイダーなどが各社独自のセットトップボックスをパソコンに接続して見る方法で、著作権料を含めた使用料をとって独自コンテンツを提供している。

「現在、BBTVや光ぷらすなどの有線役務利用放送事業者は独自のセットトップボックスをつけて、動画配信を行なっている。」
http://www.news.janjan.jp/editor/0610/0610243308/1.php


「IPマルチキャスト放送は、地上波デジタルの放送と同時再送信するもので、放送法上は「有線役務利用放送事業者」(電気通信役務利用放送法)」だ。

この地上波デジタル放送の同時再送信する「IPマルチキャスト放送」に限っては、著作権法上は通信ではなく、「放送」として扱うことが打ち出されている。


今回の規格統一は、地上波デジタルの再送信の規格だけではなく、放送事業者や他のコンテンツ提供事業者の持つビデオタイトルのビデオオンデマンドが大画面のテレビでの視聴も可能にすることも狙った規格のようだ。

これがが成功すれば、一挙にネット「放送」(オンデマンド配信)が普及するだろう。

総務省の「視聴覚障害者向け放送普及行政の指針」(案)にも、「通信役務利用放送」があった。
http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=Pcm1030&btnDownload=yes&hdnSeqno=0000028699
これに、目標値を持つように提起した団体は全難聴以外にないかも知れないが非常に重要だ。
http://www.soumu.go.jp/s-news/2007/070827_2.html

また、視聴覚障害者やその他の障害者が字幕や手話を入れた番組を見られるようにする著作権法の改正も意味が大きくなってくる。


ラビット 記
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ネットTVで海外番組・総務省、視聴実現へ国際会議

 総務省はインターネットで配信された番組をテレビで視聴するネットテレビで海外の番組も見られるようにする。15日から5日間、国際電気通信連合(ITU)や海外の通信事業者と都内で会議を開き、ネットとの接続方法など共通規格の大枠を決める。将来は海外のテレビ番組や映
画、コンサート映像などを自由に選んで見ることができるようにする。
http://it.nikkei.co.jp/internet/news/index.aspx?n=AS3S1001P%2010102007
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障害者権利条約の内容について  「ピア・メンタリング」

2007年10月11日 12時07分36秒 | エンパワメント
071006_1031~001.jpg障害者権利条約の第24条教育の第3項(a)に「障害者相互による支援、助言を容易にすること」(政府仮訳)を保障しなければならないことが記されている。

これは、同じ障害を持つ人の「ピア・サポート及びピア・メンタリングを容易にすること」(川島・長瀬仮訳)のことだ。


ピア・メンタリングは聴覚障害者のエンパワメントにはまだ馴染みが薄いが、自らの経験や知識を元に助言や指導する活動で、企業活動でも女性起業家によるメンタリングが活発に行われている。


難聴者、中途失聴者などが協会に所属して活動している場合、障害の受容、多様なコミュニケーションの方法、聴覚障害者の福祉制度、耳マーク普及などの社会啓発活動の意義などを学んでいる。

しかし、多くの場合は会員の仲間から学ぶが系統的に学ぶ場がない。
また、活動の経験はあってもそのことをどのような立場でどう伝えるかは知らないでいる。


071006_1032~002.jpgギャローデッド大学には、難聴に関わるピア・メンター養成講座があり、社会的、心理学的に分析された難聴者の置かれた状況、技術的サポートなどを専門家から学ぶ。
http://blogs.dion.ne.jp/rabit/archives/5357335.html (2007年4月1日)を参照。

http://www.peers4access.org/about.html

ろう者はろう学校でアイデンティティを育み、コミュニティを形成するなかで学ぶが、難聴者にも系統的に概観を学ぶ必要な場が欲しい。


権利条約に記されたことで、わが国でもこうしたピア・メンタリングの講座が必要な時期に来ている。


ラビット 記