難聴者の生活

難聴者の日々の生活から、人工内耳など難聴者のコミュニケーション、聴覚障害者の制度改革について語る。

紅白歌合戦の生字幕放送はニュース以外で最初だった。

2011年01月06日 20時07分17秒 | 難聴一般

勤務先の机上にNHKが紅白歌合戦に字幕放送を実施すると報じた新聞記事の切り抜きを入れてある。

2001年のことだからもう10年になる。
21世紀最初の紅白歌合戦にリアルタイムの字幕放送にチャレンジしたのは当時の海老沢会長の決断だった。
もちろん、NHKの技術陣は音声認識の技術の向上に余念がなかった。
後で音声認識の認識率が90数%くらいまで向上していたが最後の数%をどうやって高めるかに腐心していたと聞いた。

海老沢会長の背中を押したのは、コロムビアトップ氏等の国会での質問と40万筆に及ぶ字幕放送拡充の署名だった。
1991年から毎年字幕放送シンポジウムを開催し、文字放送会社との連携を強め、スポンサーの業界団体にも協力を取り付けて、本体の放送局や郵政省に働きかけた。

最初のシンポジウムから10年、継続的な活動が実を結んだ。


ラビット 記

バイオニクスの人工内耳について(追加情報)

2011年01月06日 08時37分51秒 | 難聴一般
日本バイオニクス社の人工内耳について、全難聴から通知があった。


ラビット 記
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日本バイオニクス社による製品自主回収について(追加情報)

最初の配信でバイオニクス社の説明に数点不明な点がありました。
これらについて高岡理事長が問い合わせをし、回答を得ましたので、理事長の指示に基づいてお知らせします。

1.90Kインプラントとは何か
・日本バイオニクス社が2008年4月から販売している、本社(アメリカ)であるアドバンスト・バイオニクス社製の人工内耳インプラントである。

2.自主回収する理由は何か
・本社より自主回収、および出荷停止を実施する旨の連絡を受けたため。
・全世界約28000症例のうち2症例で、音入れ後8~10日目に体外装置をつけていられない様な痛み、音の大きさ、ショックのような感覚を訴えてきたことによる。
・なお、音入れ後90日以降は、発症する可能性が大変低い。

3.「回収」とはどういうことか。医療的な処置なのか。
・未使用の90Kインプラントを回収した。
・手術で取り出して回収することではない。
・日本では体外装置をつけていられない症例は生じていない。

4.貴社のHPに今回の処置について記載されていないのはなぜか。
・本社HPで掲載されたプレスリリースを日本語に翻訳し、HPに掲載する予定。
・しかし、本社からの情報開示許可が得られていない。
・本社はアメリカ食品医薬品局(FDA)と協議し、日本での情報開示の許可を得る努力をしているが、決定は早くても1月中旬になる見込みである。

以上のように、情報開示が遅れますが、当事者には医師を通じて十分に説明するとのことです。万一、日本バイオニクス社の人工内耳装用者で、バイオニクス社から連絡を受けていない方がおりましたら、全難聴事務局へご一報ください。

なお、一般向けではありませんが、独立行政法人 医薬品医療機器総合機構は自主回収情報を流しているので、興味のある方に見てもらえるよう、下記URLの周知も併せてお願いいたします。
URL:http://www.info.pmda.go.jp/rgo

全難聴補聴医療対策部長
瀬谷和彦

人工内耳聴能訓練DVDのHOPENotesの狙い

2011年01月06日 08時20分33秒 | 難聴一般
このDVDは、単なる言葉を聞くための訓練のDVDではない。
音楽を聴くDVDでもない。

音楽の楽器の音色、リズムと一緒に歌詞を聞き取ることを目的にしているようだ。

プログラムを進めると、各楽器のパート(役割)が分かるように字幕の説明とともに演奏される(写真1枚目)。
楽器の演奏される中、歌詞が字幕付きで表示される。歌っている部分が反転する(写真2枚目)。


ラビット 記

難聴者問題をどう理解してもらうか。(2)

2011年01月06日 02時57分41秒 | 難聴一般
先に補聴器業界が難聴者人口を2300万人と推定していると書いたがうち900万人が難聴を自覚していない人だ。当然身体障害者福祉法にも該当しない。
陛下の場合は難聴を自覚されたので残りの1400万人に入りますが補聴器を使用していないカテゴリーに入る。

補聴器メーカーは昨年の敬老の日に合わせた補聴器の広告の中でこの数字を使っている。このデータは、補聴器販売店協会のHPにある。

難聴の障害の特徴として、見てわからないというだけでなく、自分で気が付かない、障害の様子を愁訴しにくいという特徴のため理解が遅れている。
突発性難聴は年数万人も発症している。大晦日の紅白のトップを飾った浜崎あゆみさんもそうだ。片耳難聴者も多いが身の回りに難聴者がいないため理解が得にくいことから黙っている方が多い。

難聴問題は高齢者だけではない。時々ネットでも話題になるが携帯音楽プレーヤーによる難聴が海外では大きな問題になっている。これだけ長時間耳元で音の刺激を与える時代は人類史上初めてだ。この影響がすでに出ていると海外では報じられるが我が国でも膨大な難聴者予備群が形成されていると考えられる。
しかしこのことに警鐘を鳴らすのは容易ではない。音楽機器メーカーはたいていのメディアの大口スポンサーだからだ。

オーストラリアには難聴予防センターがあり職業病、音楽習慣による難聴予防キャンペーンを積極的に行っているが我が国にはない。

この世に生まれた不幸より、この国に生まれた不幸を感じないようにしたい。

難聴者問題をどう理解してもらうか。(1)

2011年01月06日 02時57分08秒 | 難聴一般
難聴者問題は、聞こえと関係性という人間として生きる基本的な問題に関わるものだ。
しかし、それが社会で理解され、あるいは対策が講じられているかというとそうではない。

現在介護福祉士を目指して勉強中だが、介護の専門家を目指す学習の中ですら、難聴問題については難聴の種類と特徴、補聴器の種類程度で終わっている。
認知症や生活習慣病などの学習の量、内容と比べて雲泥の差だ。
ADLを補う介護用の福祉用具があるが補聴器、補聴援助機器はない。措置制度ではない自己負担のある保険制度でもだ。
障害者自立支援法の身体障害者手帳を取得して申請しないと補聴器は給付されない。この身体障害者手帳は最低の6級でも両耳70dB(医学的には高度難聴)でないと対象にならない。
私たちはWHOの難聴の基準の40dBにすることを求めている。

その他、障害者権利条約の批准に向けて内閣府障害者制度改革推進会議で法整備に向けた議論をしているが、制度の谷間を作らない、障害の種類と程度によらないサービスの提供を求めて障害者基本法改正に向けた二次意見書をまとめた。
これにそった難聴者施策を作らねばならない。


ラビット 記

第二次意見に「猛烈な関係省庁の抵抗」 

2011年01月06日 02時14分34秒 | 障がい者制度改革
きょうされんのHPに、障害者基本法に対する第二次意見に対する各省庁の抵抗について、コメントがあった。


ラビット 記
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http://www.kyosaren.or.jp/commentomo/2010/99.htm
どうなる? 
新法のゆくえ決める基本法の抜本改正
~障がい者制度改革推進会議の「第2次意見」を受けて~

■今後の新法づくりに大きな影響を与える基本法の抜本改正
―「第2次意見」までの経過

■猛烈な関係省庁の抵抗

12月13日の第28回推進会議では、「第2次意見の素案」に対して、内閣府、総務省、法務省、文部科学省、厚生 労働省、経済産業省、国土交通省、外務省、警視庁、文化庁から、膨大な意見・留意点が提出された。厚労省の意見が多くの比重を占めていたことはもちろんだ が、まるで関係省庁が足並みを揃えて一斉攻勢をかけたような様相だった。
たとえば、以下のような見解が示された。
「『障害者が基本的人権を享有主体であることを確認する』とは、どのような法的効果が生じるのか」、そもそも「基本的人権は憲法により平等に明らかにされ ている」、「『地域社会で生活する権利』という抽象的な規定の仕方は適切かどうか」、「手話等の言語性を確認するとされているが、具体的にどのような意味 であり、どのような法的効果が生じるのか」、「権利条約には、社会モデルに関する明示的規定はない」など、基本法の目的や定義の基本的な問題について、 真っ向から反発する見解が示された。
また「総合福祉部会や差別禁止法部会等の議論を制約すべきではない」という意見や、「中央教育審議会や労働政策審議会の審議を経る必要がある」といった ことも強調された。さらに「現下の財政状況を踏まえた現実的な議論が必要である」とし、まるで推進会議が空論を展開しているかのような主張もあった。