12月の第一木曜、奈良県河合町と広陵町にまたがる馬見丘陵公園(うまみきゅうりょうこうえん)に行った。見出し写真は公園内の一角。武蔵野のような雰囲気の落葉樹の林。小春日和の穏やかな日差しが感じられたら嬉しいな。
月に一度の植物観察とウォーキングを楽しむ会が、私の命の程よい洗濯になっていた。にもかかわらずコロナとコロナによる自粛ムードが猛威を振るった8月頃までは、電車に乗るだけでも、たいへんな危険を冒しているような緊張感があって、たびたび欠席せざるを得ないことがあった。今では幸いなことに順調に出席出来ていてホッとしている。この日の集合場所は近鉄田原本線池部駅。次のような経路で行った。
JR南吹田駅まで徒歩で約15分。大阪ひがし線の各停に乗り➡久宝寺駅(乗り換え)➡王寺駅(乗り換え)新王子駅(近鉄田原本線)➡池部駅到着と乗り継いで所要時間はおよそ1時間15分だった。
近鉄田原本線もとは大和鉄道と称し、近鉄の前身大阪電気軌道と張り合っていたらしい。池部駅前の河合町舎は何だか風情のある門構え。この付近の実業家(大和鉄道社長)にして政治家(政友会)の森本千吉の邸宅だった豆山荘が譲渡・改変を経て現在の河合町役場に引き継がれているそうな。「ならローカル通信」・「奈良に住んでみました」と言うブログの中の記事「阿吽のライオンが門を護る河合町役場庭園」という記事の中に、とても詳しくてていねいな解説がされているので興味のある方は是非ご一読を!ちなみに「ならローカル通信」・「奈良に住んでみました」は奈良好きの方にはきっとお気に入りのガイドになると思う。河合町役場門前のライオンは唐獅子ボタンの獅子とは違ってモダン。大阪市なにわ橋のライオンと雰囲気がよく似てあか抜けている。この頃の大和鉄道沿線のハイカラな機運が伝わってきそうだ。
庭園に植えられたユッケもモダンな感じ。残念なことにユッケの葉先が尖っているのが子どもの目に刺さると危ないとか言われ、近頃は公園でも庭園でも植えられなくなってしまった。
武蔵野のように明るい雰囲気の落葉樹林。冬に葉が落ちると地表にまで日が射して明るくなる。西日本の山のように常緑樹が混じっていると、日差しがさえぎられやや暗い鬱蒼とした森になるのと対照的である。
右下の写真。楓の向こうの竹林の竹の節に注目。白い線が見えるのは一年目の竹。
「山の香ばしい」なんて名前の木があるなんて知らなかった。「ヤマコウバシ」はクスノキ科クロモジ属。本当に香ばしい良い匂いがする。Web上の庭木図鑑・植木ペディアでは『枝葉を折ったり、揉み解したりすれば、ショウガのような香りが漂う』としていたが、私が近くに寄ったときには桂の木のような醤油のような、唐揚げをあげる時のような香りがした。真冬でも葉が「落ちない」ことから受験生のお守りになるらしい。
印象的だったのは香芝市のシンボルになっているこの小さなスミレと、歩道橋のから見下ろせた大きな皇帝ダリア。どちらも公園の中でしっかりと居場所を与えられ大事にされていた。奈良では人の心が落ち着いていて公共の場や動植物が大切にされていることが肌で感じられた。
さて、久しぶりにフォトチャンネルを作った。この日目にすることが出来た順に写真を並べたつもりだ。加齢による頭の機能の低下は隠しようもなく依然と比べ、えらく時間がかかった。でも何とか出来た
馬見丘陵公園の初冬
来年は再びフォトチャンネルつくりに挑戦するので乞うご期待。