彦根の歴史ブログ(『どんつき瓦版』記者ブログ)

2007年彦根城は築城400年祭を開催し無事に終了しました。
これを機に滋賀県や彦根市周辺を再発見します。

『琵琶湖周航の歌』をめぐる9 六番「長命寺」

2016年06月12日 | 史跡
6.西国十番 長命寺  汚れの現世 遠くさりて
 黄金の波に いざこがん  語れ我が友 熱き心

前回、彦根港に寄港しなかったのではないか?と考えるもう一つの理由が次にわざわざ「西国十番長命寺」と始めているからです。
長命寺は西国三十一番札所で、十番ではないとの指摘を下級生に受けたとき、小口は「それでは曲に合わない」と答えたそうです。
そこまでしてわざわざ「西国十番」の言葉を入れたのは、西国三十三番札所巡りでは竹生島から長命寺まで舟で渡った故事があるからではないでしょうか?
だからこそ、彦根港は寄港していないと思っています。
ちなみに、この「西国十番」がカットされた歌碑が長命寺港にありました。

現在はこれを甘受して一つの歌の歌詞として認めた歌碑が長命寺境内にあります。



ここから見る琵琶湖は美しいです。

ここでも宗教的な雰囲気のある「汚れの現世遠くさりて 黄金の波にいざ漕がん」と表しています。
黄金の波ということは夕方のイメージがあるので晩年を表現しているのでしょうか?現実には長命寺から大津に向かうのに夕方に漕ぎ始めたら危険ですから、情景描写ではないはずです。

そして、未来を目指すように「語れ我が友 熱き心」と歌は終わります。

『琵琶湖周航の歌』六番に歌詞変更はありませんが、資料館の展示から紹介。

『琵琶湖周航の歌』は六番で終わりますが、ここから、出発地である大津まで戻り、琵琶湖周航は無事に終わりを迎えるのです。


所在地 近江八幡市長命寺町
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