妻が黙って食器を洗っている
いつもなら 手も口も一緒に動かしている妻だった
私が叔父の葬儀で東京にいたため 母親の入院の手続きは一切妻がやってくれていた
主治医の説明も一緒に聞いてくれて 頼りになる存在だと改めて思った
しかし食事の後の妻は 一転してよそよそしい雰囲気を漂わせていた
ひょっとして 私の感謝の気持ちが足りないのではないかと思ったが
妻は 人前で良妻を演じるようなタイプではないし 恩着せがましいタイプでもなかった
ひょっとして 私の留守に他に何かがあったかも知れない・・・
「・・・何かあったの?」
振り絞るような私の一言に 還ってきたのは
「別に・・・」の一言だった
ふと
昨日叔父の葬儀で東京に出る時に 財布を軽くしようと
領収証やら不要なカードやらを そこいらにぶちまけていったことを思い出して
「ここに東京の友達宛ての宅急便の発送伝票が無かった?」と言おうとしたが
その後の会話を続ける自信が無かったので 口をつぐむことにした
「あはは、キャバクラの領収書でも見つかったかな~?(笑)」
よく考えれば木更津にキャバクラなど無かった
その夜がいつ明けたかを 今でも思い出さない
いつもなら 手も口も一緒に動かしている妻だった
私が叔父の葬儀で東京にいたため 母親の入院の手続きは一切妻がやってくれていた
主治医の説明も一緒に聞いてくれて 頼りになる存在だと改めて思った
しかし食事の後の妻は 一転してよそよそしい雰囲気を漂わせていた
ひょっとして 私の感謝の気持ちが足りないのではないかと思ったが
妻は 人前で良妻を演じるようなタイプではないし 恩着せがましいタイプでもなかった
ひょっとして 私の留守に他に何かがあったかも知れない・・・
「・・・何かあったの?」
振り絞るような私の一言に 還ってきたのは
「別に・・・」の一言だった
ふと
昨日叔父の葬儀で東京に出る時に 財布を軽くしようと
領収証やら不要なカードやらを そこいらにぶちまけていったことを思い出して
「ここに東京の友達宛ての宅急便の発送伝票が無かった?」と言おうとしたが
その後の会話を続ける自信が無かったので 口をつぐむことにした
「あはは、キャバクラの領収書でも見つかったかな~?(笑)」
よく考えれば木更津にキャバクラなど無かった
その夜がいつ明けたかを 今でも思い出さない
昨日今日と仕事が多忙のため面会時間に間に合わなかった私が、今日母親を見舞った妻から聞いたことです。
月曜の再入院の時に感染症の疑いがあったため点滴でずっと過ごしてきた母は、流動食とはいえ5日目にしてやっと食事が出来るようになりました。
先日人工呼吸器のことで一筆書いた後は、特に病院からの呼び出しも無かったため、ほっとしてはいますが、父親はそれ以来面会の時間が長くなったようです。
今まで意識したことのなかった最期とか別れとかの現実を突き付けられたので、親父の気持ちは分かるような気がします。
月曜の再入院の時に感染症の疑いがあったため点滴でずっと過ごしてきた母は、流動食とはいえ5日目にしてやっと食事が出来るようになりました。
先日人工呼吸器のことで一筆書いた後は、特に病院からの呼び出しも無かったため、ほっとしてはいますが、父親はそれ以来面会の時間が長くなったようです。
今まで意識したことのなかった最期とか別れとかの現実を突き付けられたので、親父の気持ちは分かるような気がします。