心を元気にするキーワード④
楽観「誰でも楽観主義者になれる」
● 楽観主義者ってどんな人
わが母、かなり過酷な家庭環境のなかでの孤軍奮闘でしたが、母の母,つまり祖母の口癖は、「お母さんが楽観的な人だからよかったね」でした。
今となっては記憶が判然としないのですが、母、とりたてて、明るいというわけでもありませんでした。ただ、何かを深刻に悩んでいるような素振りが一切ありませんでした。変な言い方になりますが、「悩めない人」でした。
さて、その楽観主義者(悩めない人)。ひどい事態に直面したときにでも、次のような考え方をする傾向があることが知られています。
① 悪いことが今押し寄せているが、それは、一時的であって永遠に続くわけではないと考える(一時性)
② 悪いことが起こっている原因は、たまたまそこにあった特定の理由によるもので、いつもその原因があるわけではないのでいつかは好転すると考える(一回性)
③ なんでも、ポジティブに考えることができる(ポジティブ思考性)
こうしたことが自然にできるかどうか、あるいは、習慣的になっているかどうかが楽観主義者になれるかどうかの決め手になります。
●楽観主義者になるコツ
「つまずいて骨折して入院してしまった」とします。こんな風に考えることができるようになれば、楽観主義者への道を歩めます。(番号は、前述の番号に対応します>)
① 一時性>1週間がまんすればよい。/完治するので心配ない。
② 一回性>事がたてこんでいて注意力が落ちていた。/たまたま、道路にくぼみがあったから。
③ ポジティブ思考性>これを機会に英気を養っておこう。/病院のあれこれをこの際、見ておこう
では、「資格試験に不合格だった」として、どのように考えれば、楽観主義者になれるでしょうか。挑戦してみてください。(回答例は末尾につけました。)
① 一時性>
② 一回性>
③ ポジティブ認識性>
いかがでしょうか。これなら自分でもできそうとなれば、楽観主義者の入口まで来れたことになります。あとは、こうした考え方を習慣化することです。
● 蛇足ながら
楽観主義。しかし、いいことずくめではないことも知っておいたほうがよいかもしれません。
楽観主義は、事態を冷静かつ論理的に分析するのとは違った、極端に言えば、それとは、正反対の認識をベースにしています。
事が個人の考え方の問題だけですむならそれでもいいのですが、事の解決を求められるようなことになると、自分に都合の良い楽観主義的な認識だけでは、何かと危ないですね。現実との乖離が大きくなってしまうからです。
怪我で入院となれば、現実的に解決しなければならない問題は山ほどあります。楽観主義だけでは、乗りきれません。でも、気持ち、楽観主義なら、解決の仕方にも違いが出てくるところはあるはずです。
*回答 ①次がある。/じっくりやればよい。②山かけがはずれた。/勉強時間が十分とれなかった。③もっと勉強ができるいい機会だ。/楽観しすぎた