改善マインド「習慣を変えることを習慣にする」
●習慣を壊すことを習慣にする
習慣とは、いつもと同じ状況で同じことをほとんど努力感なしにすることです。
今回の「改善マインド」は、「いつもとは違ったことをすることを習慣にすること」のすすめになります。「習慣を壊すことを習慣に」ですから、なんとももったいない話になります。ややしゃれた言葉を使うなら、メタ習慣のすすめです。
なぜこういう一見やっかいな話をするかというと、習慣はいったんできてしまうと、ついつい、現状維持、マンネリになってしまい、状況が変化して、もはやその習慣が妥当でなくとも、相変わらずそのままやり続けてしまうからです。適当なスパンで見直しが必要です。いわば、頭の政権交代のすすめです。
●習慣を変えたほうがよいと判断する時
一つは、落ち込んだ時こそ、習慣をみつめ直す好機です。
経済が好調なときは、いけいけどんどん、です。気持ちポジティブなとき、あまり深く考えないのと同じです。ところが不況になりました。これまで何の疑問を持たずにしてきたことが、どうして?と誰しもが疑問を持たざるをえません。
心の習慣の見直しも、心が不具合な状態になったときこそできることです。
もう一つは、状況が変わった時です。
心の習慣を点検するもう一つのチャンスは、あなたを取り巻く状況が変化したときです。
卒業、入学、就職、転職、結婚、定年といった定型的な状況の激変が誰にもあります。それを心の習慣を見なおす機会とするのです。
学校で勉強するときには好ましい頭の活用の習慣も、就職したらとても使い物にならない代物になってしまうことはいくらでもあります。こんなときこそ、改善マインドの発揮です。柔軟に何でも受け入れることからまずは始めてみることです。
●改善マインドづくりのコツ
①変える方向をみつける
これはかなり難しい作業になります。
大きくは、過去と未来から現在をみる時間的な展望、歴史的な観点が必要です。これによって、状況の表層的な変化の底を流れる本質的な変化を見通すことできます。
これがないと、改善も、ただばたばたと動き回るだけのことになってしまいます。
さらに、自分なりの人生物語づくりですね。
過去の自分を踏まえ、現在の自分の置かれている状況をきちんと認識して、さて将来はどうするということを一貫性のあるストリーとして意識化することです。これがあれば、その方向に心の習慣が向いているかどうかの点検が自分なりにしっかりとできることになります。そして、どう改善すればよいかも見えてきます。
②ともかく変えると新しいものが出てくる
やや話が抽象的になってしまいました。
うるさいことを言わずに、自分の今の心の習慣になんとなく不満があったり、これでいいのかなーという気持ちがあるなら、あれこれ「ともかく変えてみる方略」もありだと思います。小さいことでも、ちょっとした創意工夫で変えてみるのです。
・座右の書を思い切って変えてみる
・期間限定で、ネガティブ思考をあえてポジティブ思考に言い換えてみる
この「ともかく変えてみる方略」の良いところは、心のマンネリを打破できるところです。さらに、そこから①のような改善の方向が見えてくるということも期待できます。