遊び「それはポジティブな気持ちへの誘い」
●遊びの効果
ホモ・ルーデンスなる言葉もあるくらい私たちは、遊び好きなようです。でも、遊びが好きなのは、人に限らないようですが。
あまり本筋には関係ありませんが、哲学者カイヨウによる遊びの4分類を紹介しておきます。
・ 競争に勝つ スポーツなど
・ 運をためす ギャンブルなど
・ 真似をする 演劇など
・ 幻惑される ジェットコースターなど
いずれにしても、人間が遊び好きなのは、当たり前かもしれません。だって、遊びには、その心理的効果だけに限定しても、びっくりするくらいあれこれあるからです。
「気持ちに対する遊びの効果」
遊びには、日常とは違った、心理的には「はれ」の意味合いがあります。さー遊ぼうとなると、自然に心うきうきですね。それには、場の変化が大きく貢献しています。いつもと違う場があります。旅行にしても、一杯飲むにしても、普段とは違った場で遊びます。それが気持ち元気のベースになります。
「頭に対する遊びの効果」
普段は、論理や達成目標の制約にがんじがらめです。そこに、遊びが入ると、制約を飛び出して自由な発想ができます。連想や回想が活発になります。そこから新たな発想が生まれます。
「周りに対する遊びの効果」
遊びには、一人でするものも仲間と一緒にするものもあります。仲間と一緒の遊びは、普段とはちがったものが入りこみます。それが、対人関係をより親密なものにし、さらに、質のちがったにします。いわば、遊びが対人関係を活性化してくれます。
●遊びで心を元気にするコツ
①遊べる習慣をつけておく
この年になって、「若い頃しておいて、よかったなー」とつくづく思うことがいくつかあります。
一つは、読書。本が大好きでした。今書斎や研究室にある本の半分は若い貧乏な頃、購入したものです。
2つは、遊ぶ。貧乏でしたから限定はされていましたが、マージャン、テニス、ドライブです。
さらに、本当は、もう一つ、2つ挙げたいのですが、余談が長すぎますのでやめておきます。
なぜよかったかというと、充実した暇づぶしができるからです。もし、これらがなかったらどれほど貧しい老後になったかと思うとぞっとします。あの皮肉屋バーナード・ショウがこんなことを言っています。
「年を取ったから遊ばなくなるのではない。遊ばなくなるから年を取るのだ。」
心を元気にできる遊びができる力?は、ですから、若いうちにその基礎、レパートリを増やしておくことをおすすめします。
②積極的に遊ぶ
私はごろ寝が大好きです。疲れたときなどは、一日、万年コタツにもぐりこんでうたたねして至福のときを過ごします。
でも、これは心身の元気にはつながりません。疲れをとる名目でのぐーたらですが、こうしたパッシブレストだけでは、休息の取り方としては失格です。疲れを取りすぎてしまうと?心のはりがなくなってしまうからです。月曜日スタートで出遅れることになります。
やはり遊びも、積極的にやるようにしないとだめなようです。
それには、遊びにお金をおしまない習慣をつけることですね。この年になって、私もやっと心から遊びが楽しめるようになりましたが、昔の貧乏がたたってか、遊びにお金を使うのには、まだ抵抗があります。
③ できるだけ仲間と一緒に
今の私の密かな?楽しみの一つが、書斎でパソコンを立ち上げて一番にする一人マージャンです。もう何年になるでしょうか。
昔、大学生時代に馬鹿みたいにやった経験のなごりでしょうか。
でも、一人マージャンは、さみしいですね。ゲームそのもののおもしろさを堪能できるからいいものの、やはり、4人でジャン卓を囲んでのゲームに限ります。いずれ、退職したら、近隣でメンバーをつのってと、これもひそかに思っています。
同じ楽しみでも、一人より仲間と一緒のほうが楽しいです。仲間が楽しい世界に引きずりこんでくれることもあります。これが、心、元気にしてくれます。
④ いろいろの遊びができるようにしておく
遊びのレパートリは広いほうがよいと思います。遊びには、前述したように、さまざまな効果があります。その日の気分で、あるいはTPOに応じて、遊びの種類を変えられれば、効果抜群です。
⑤ 結果ではなく、プロセスを楽しむ
スポーツやゲーム遊びには結果が伴います。出来不出来、成功不成功、勝ち負けがあります。それが遊びの楽しさにつながってはいますが、それだけにこだわると、遊びの効果を十全には享受できません。そこに至るまでの過程をじっくりと味わい楽しむ気持ちが必要です。