月刊「祭御宅(祭オタク)」

一番後を行くマツオタ月刊誌

国際文化学の英訳 -国際のもうひとつの意味-

2005-05-18 21:43:29 | 民俗・信仰・文化-時事・コミュニケイション-

  僕は、「国際文化学」部を卒業し、「国際文化学」研究科修士課程を修了しました。
 「国際文化学」の英訳はどうなるんでしょうか?
 普通に考えると、 International cultural studies となると考えがちですよね?
 「そんなことない」と言ったら死刑です。
 しかし、実際の英訳は "intercultural studies"になるのです。
  「国際」と言うと 「international = 国際的な、国家間の」という意味を連想してしまいます。だったら、 「国際文化学」だと、 「international cultural studies」というのが、一般的です。
 なのに、何故、 internationalを使わない interculturalなのでしょうか?
 それは、 「国」 「国家」いう言葉の違いに端を発すると考えられます。
 まず、 「国家」は領土・人民・制度で組織される 「行政単位」です。
 一方で、「 国(くに)」は国家という意味のみでなく、 地域・地方などの意味も持ちます。
 漢字を変えれば 「邑(むら)」も「くに」とも読めるのです。
  「国際文化」の「国」とは「国家」という行政単位ではなく、「一つの文化を構成する地域・文化圏/culture」と考えられるのでしょう。
  それらが相互にかかわりを持つということで「inter」が頭につき、 「intercultural」になったと言うことになります。
  一つの国家の中に、一つの文化圏しかないということは、まずありません。つまり、「国際文化」というのは、日本とアメリカとか、日本と中国というだけでなく、一国家の中だけでもある現象であると考えられるのです。
 例えば山城国と播磨国というような感じですね。
 「日本の文化」というと、「一つの文化圏の文化」と捉えがちですが、「日本という国家の範囲にあるたくさんの文化圏の文化」と考える方が偏見は少なくなるでしょう。
 最近の教育の傾向として見られる「日本文化の啓蒙」は、「日本文化」を「一つの文化圏の文化」として捉える傾向があり、好きにはなれません。
 「日本文化の啓蒙」をしようとする政治家の人達が求めてるのは、「豊かな心」ではなく「従順な駒」であるように感じています。 

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hysterie has a history. sometimes, it's a mystery

2005-05-18 21:30:35 | 民俗・信仰・文化-時事・コミュニケイション-
 かっこよく英語で題名を書いてみました。
 日本語訳にすると、「ヒステリーには、それに至るまでの歴史(ヒストリー)がつき物だ。時としてそれは、不可思議な謎(ミステリー)である。」
 韻を踏んでいます。
 そうそう、はじめのhysterie(ヒステリー)はドイツ語です。ドイツの精神医学を学んでいく課程で、日本でおなじみの言葉になったのでしょう。
 「ヒステリー」は、「感情を統御できず、激しい興奮・怒り・悲しみなどをむき出しにした状態。」と「感情的葛藤が原因の身体的発作」の2つの意味があるそうですが、ここでは前者のみ扱います。
 「ヒステリーを起こす」というと、「突然」怒り狂う、という印象にとられがちです。
 しかし、他人から見たら「突然」でも、本人には、怒り狂うまでの「歴史(ヒストリー)」があるのです。その歴史とは、キレた相手に対して押さえ込んでいた「怒り」かもしれませんし、その人の生い立ちかもしれません。ただ、いずれにせよ、キレられたひとから見ると「突然」であっても、キレる人にとっては「歴史」があるという認識は大切です。
 また、キレるまでの「歴史」が分かったつもりでも、キレた人にしか分からない部分、他人から見たら「謎」の部分というのが必ずあるという認識も大切でしょう。
 分からない部分があると知りつつも、キレた人の「歴史」に何があったのかを考える「想像力」が、大切なのです。
 そのような想像力を働かせるのは、個人対個人だけでなく、集団対集団においても大切になってきます。「テロというヒステリー」が起こるに至った「歴史」を考える「想像力」が、ヒステリーを回避する方法なのです。
 キレた人の「歴史」に何があったのかを考える「想像力」は、今日の日本の社会にも求められています。
  
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