月刊「祭御宅(祭オタク)」

一番後を行くマツオタ月刊誌

<月刊「祭」2013.1月 第10号>餅-10回記念のちょっぴりグロテスクな話-付:見土呂屋台入魂式宮出

2013-01-01 20:04:16 | 民俗・信仰・文化-伝承・信仰-

●お正月には餅食べて
 喪中につき新年おめでとうの挨拶は控えさせていただきますが、本年もよろしくお願いいたします。さて、正月といえばお餅ですが、「なぜお餅を食べる」とされているのでしょうか。
 少し、グロテスクな話もあるかもしれませんが、お付き合いください。

 

●吉野裕子氏の説 カガミ餅のみかんは何を意味するか??
 民俗学者の吉野裕子氏の説です。鏡餅はとぐろを巻いた蛇というものです。稲の神は蛇であるとよくいわれており、その神さまをお正月に迎えるというものです。「カガ」は蛇を意味する言葉だそうです。
 そして、餅の上のみかんは・・・目をいみするとか・・・
 ということは、餅の上のみかんを食べるということは、、、、蛇の目をたべるということになりますね。

 

●伝・安部清明著「**内伝金烏玉兎集」の牛頭天王説話 
 有名な安部清明が書いたと「される」著作の説です。何を意味するのかは、後に書くとして、ますはその説話をざっくりと紹介します。
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 牛頭天王はお嫁さんさがしの旅に出ておりました。とある夜、一夜の宿を請おうと豊かな巨旦将来の家を訪れたところ、断られました。しかたなく、巨旦の兄の貧しい蘇民将来の家を訪れたところ、心づくしのおもてなしをしてもらえました。
 無事に妻を娶った後、牛頭天王は巨旦とその一族を呪殺します。その時、牛頭天王に親切であった巨旦のには「急急(急は本当は口編がつく)如律令」の札を渡しておき難を逃れさせました。この札の文字は書物によっては、「蘇民将来子孫」となったりします。
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 このお話と餅はどこに関係があるのでしょうか。
 実は、正月の紅白の鏡餅はこの巨旦将来の骨であり肉であるというのです。
 ほかにも、三月のよもぎの草餅は皮膚、五月の菖蒲結びと粽は毛髪、七夕の素麺は筋、九月の菊酒は血であるとします。
 つまり、1年をかけて、我々は巨旦という悪い神?を退治していることになります。
 手始めの骨と肉、しっかり食してくださいね。
 
映像:上ノ庄神社入魂式見土呂屋台宮出

 

●編集後記●
 かねてからの夢の一つだった、祭についてのマニアックな雑誌の創刊。
 四月に気まぐれではじめてから、毎月読者の皆さまにお届けして、年が暮れ、早10号を迎えました。
 ひとえに、毎日50IPアドレスからアクセスしてくださる読者?(通りすがり?)の皆さまのおかげです。
 今年は、パワーアップはする予定はありませんが、何とか月一回のペースを守りきりたいものです。
 また、写真集ページとしてsee hereというサイトを使っていたのですが、見事に閉鎖になってしまいましたT T;  様々な不手際心苦しい限りです。

 ところで、管理人は、3年ほど前から京都民俗学会という本職の方も多数集まる場でお世話になっております。浄土寺に関する研究ノートを学会誌・「京都民俗」に掲載していただき、さらに、一昨年、昨年と2年連続の年次大会の発表もさせていただきました。今年は、なんとかして、論文掲載に持ち込めたら!?と思っています。
 そして、ついでに、韓国語と古文書も少しはできるようになればとも思っています。

 さて、 昨年は、学校での凶悪な犯罪が明らかになり、かつ、それらへの大人たちの対応が問われた一年でした。ポイントは、いかに罪を逃れんとするプレッシャーが強くとも、間違いは間違いとして曲げず、勇気をもって問いただすということになるのでしょう。少しでも自分がそれを実践できるような、素敵な一年になればとおもっております。本年も何卒よろしくお願い申し上げます。