月刊「祭御宅(祭オタク)」

一番後を行くマツオタ月刊誌

86.屋台、だんじり、太鼓台のインターネット上の重要資料とその課題(月刊「祭」2019.1)

2018-12-27 14:59:37 | 屋台、だんじり、太鼓台関連

屋台、鉾などの祭が世界遺産になったそうです。
これを機に屋台、鉾の文化を再び研究する機運が高まっているように感じています。
これまであまり「研究がなされていない」ということが、とくに京都祇園祭以外の祭では言われがちですが、はたしてそうでしょうか。少なくとも、播州では粕谷氏が1980年代より研究を発表し始めています。播州においては東播磨はナメラコゾウ氏西播磨は四神会による研究が、さまざまな古屋台の復原は横山隆史氏が活発に行なっております。四国に目をやると太鼓台研究の大家尾関明氏が様々な調査、考察を実施しております。
そして、全国的にはいわねえ氏が、驚異的な精度と量で全国の祭礼を網羅しています。

●ウェブ発表の現状
こうして見ると、四神会の名田氏や尾関氏には優れた著作があるものの、優れた先行研究の多くがネット媒体での発表となっています。
ネット媒体での発表の利点と不利な点をまとめてみました。

利点① 手軽に発表できる。閲覧できる。
誰でも無料サーバを利用して、写真などを大量に掲載しつつ、発表できます。義務教育用の地域教材の開発が、昨今行われてきていますが、ナメラコゾウ氏や四神会、横山氏の活躍がなければ、大きく遅れていたと思われます。

利点② すぐに改変できる。
屋台の新調は日々至る所で行われており、最新の情報を掲載し共有できるのもネット掲載の利点です。いわねえ氏は、今も精力的に更新を行なっており、タイムリーな情報をみることができます。

不利点① サーバが閉じられる危険
これは、現在管理人が直面している問題です。本ブログの親ページ「祭と民俗の旅」もジオシティーズがウェブページを2019年3月に閉じることを宣言しています。なので、コピペで保存する作業が課せられています(ToT)私自身は無料ページを使っていますが、金払ってようがいよまいが、サーバの都合でいきなり閉じられてしまうという危険は常にあり、良ページはプリントアウトして保存しておく必要があるでしょう。

不利点② 評価されない
上記不利点①のウェブページの不安定制を元に、研究の成果として評価されないという難点があります。ですが、プリントアウトとして保存しておくことで、やはり立派な参考文献になりえます。本稿で紹介しているウェブページは、屋台、だんじり、太鼓台研究の先駆的な成果であることは事実です。これを評価できないというのは、評価する側の至らなさとも言えるかもしれません。

・編集後記
私にとって宗教や民俗学、歴史の研究で参考にし、憧れるのは大学や博物館勤務のプロの研究者でした。ですが、こと屋台だんじりに関しては、プロの方よりも在野の研究者の割合がずっと大きくなります。これらの成果に目を向けなければ、屋台、だんじりの研究は停滞、衰退、実態との乖離が著しくなるだけです。

本年亥年もよろしくお願いします。


とろサーモン久保田さんが、女性差別発言(彼の罪は、上沼氏を批判したことでなく、批判する際に差別的な表現をつかったこと。)を反省し、復活することをねがっています。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 85.金地院の十字架(月刊「祭... | トップ | 月刊「祭」2018目次 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

屋台、だんじり、太鼓台関連」カテゴリの最新記事